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[関東]“開幕戦”筑波大、明治大に完敗も先発ルーキー2人が奮闘「これからどんどん良くなっていく」

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先発デビューを飾ったMF山内翔(左)とGK高山汐生

[7.26 関東大学L1部第4節 明治大3-0筑波大 龍ケ崎フィールド]

 新型コロナウイルスの影響で参加が遅れていた筑波大が26日に行われた第4節より参戦。開幕連勝を続ける明治大との対戦になったが、0-3で完敗を喫し、黒星発進となった。

 予想通りの厳しい戦いになった。6月中には全体練習を行うことが出来たが、学校内で対外試合の許可が下りず7月5日の開幕戦の参戦には間に合わせることが出来なかった。筑波大と順天堂大以外の10チームが開幕3試合を消化する中で、練習試合も全くできない状況だったが、この日ようやく開幕戦を迎えていた。

 しかし前半から相手の猛攻を受けると、42分にFW小柏剛(4年=大宮ユース/札幌内定)の左クロスに走り込んだFW佐藤凌我(4年=東福岡高)に先制点を決められる。さらに後半に入ってもすぐの3分にセットプレーからMF藤原悠汰(3年=広島皆実高)に追加点を決められると、終了間際には途中出場のDF岡庭愁人(3年=FC東京U-18)にダメを押された。

 昨年のチームには同日のJ1リーグで初ゴールを決めたFW三笘薫(川崎F)やMF高嶺朋樹(札幌)、DF山川哲史(神戸)といったJ1クラブに進んだハイレベルな個を軸にチームを構成。しかし今年は突出した個がない分、よりチーム力が試されることになっている。小井土正亮監督も「今年はまだ軸が出来ていない」と頭を抱えるポイントだ。

 ただそんな中で2人の注目ルーキーが開幕戦から出場。昨年のU-17ワールドカップに出場した実績を持つMF山内翔(1年=神戸U-18)と、同じく世代別代表歴を持つGK高山汐生(1年=湘南U-18)が先発した。中でも「去年、3冠を獲ったチームを相手に自分がどれだけ出来るのかというのは、前々日くらいからワクワクしていた」という高山は前半24分、同26分と立て続けに好セーブを披露するなど、落ち着いたプレーも見せていた。

 敗戦の中で見せたわずかな光。指揮官も「よく頑張ってくれた」と2人の奮闘を評価する。ただこの日の経験を生かすことが大事になってくる。「山内が言っていたのは『明治の速さに驚きました』と。基準が大学のトップレベルにまだないなと思った。でも彼らには期待していますし、これからどんどん良くなっていくんじゃないかなと思います」。

 そして下を向いてばかりもいられない。主将MF知久航介(4年=國學院久我山高)は、「ほかのチームが3試合やっているということに危機感を持って練習していたけど、明治はひとつもふたつもレベルが違った。でも逆に初戦が明治で、大学トップレベルを肌で感じることが出来た。いい教訓にするしかないなと思います」と顔をあげる。次節は1週間後、専修大との一戦で仕切り直す。

(取材・文 児玉幸洋)
●第94回関東大学L特集

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