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[MOM688]国士舘大FW梶谷政仁(3年)_結果を残す“探求心の塊”

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.17 関東大学L1部第14節 国士舘大4-2中央大]

 前期の対戦とは違う戦い方をしてきた中央大に戸惑い、前半10分までに2点を失った国士舘大だが、焦ることはなかったという。逆にチーム内には逆転できるという自信が溢れ出ていた。

 きっかけを作ったのも、逆転弾を奪ったのもFW梶谷政仁(3年=正智深谷高)だった。まずは前半22分、DF谷口栄斗(3年=東京Vユース)のパスを受けると、反転してからの切り返しで相手を外して右足で決めきる。

 さらにMF高橋尚紀(2年=前橋育英高)のゴールで同点にして迎えた前半35分、右サイドからドリブルを開始。相手を右手で押さえながら力強い突破をみせると、豪快に逆転弾を蹴り込んでみせた。

「2失点したあともみんなでまとまって、そこから反撃できた。下位のチームには絶対負けられないと話していたので、気持ちが出せて良かったです」

 研究熱心で、それをやり切ることができる性格のようだ。埼玉の名門、正智深谷高で主将としてプレーして注目された梶谷だが、国士館大に進学して戦ったルーキーイヤー、大学1部リーグのレベルの高さに衝撃を受けたという。

 特に現在、川崎フロンターレでブレイクする三笘薫(当時筑波大)のドリブルに驚愕。三笘のドリブル突破を映像で研究し、1対1の練習を繰り返すようになった。

 またプレースピードの速さに当たり負けすることが多いと感じたことで、2年目を肉体改造の年と位置付けた。その効果もあって、体重は1年で7キロほど増加。「今は80キロくらいある」というが、大きくなった体はキレを失っておらず、逆にパワーアップする理想通りの進化を遂げた。

 さらにこの日の先制点は、1年生の時に大学選抜で一緒にプレーした流通経済大のFW満田誠(3年=広島ユース)がアミノバイタルカップ2回戦の駒澤大戦でみせたゴールを参考に練習してきたものだった。「反転して切り返してシュートというのはずっと意識していた。イメージ通りでした」。探求心の塊だ。

 今季はすでに1部リーグで5ゴールを記録。背番号11が2年ぶりの1部を戦うチームの攻撃をけん引している。「まずは全国大会に出場しようという思いでずっと練習に取り組んできています。そういった意味では最終目標は全国優勝です」。

 今では大学3年生でJリーグ内定という話もない珍しくはなくなってきている。「狙えるなら今年から狙っていきたい」。梶谷も意識を十分にするところ。プロ予備軍がしのぎを削る中で存在感を示していけば、チャンスは必ずやってくるはずだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第94回関東大学L特集

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