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[MOM805]関西大MF深澤佑太(4年)_頼れる主将が1G2A、対戦望む“旧友と弟”の存在

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関西大MF深澤佑太(4年=大阪桐蔭高)

[7.14 第45回 第51回 関西学生サッカー選手権大会準決勝 びわこ成蹊スポーツ大2-6関西大 ヤンマースタジアム長居]

 関西大は獲得したPKのチャンスで決められず、逆にクリアボールをびわこ成蹊スポーツ大FW塚目憂(4=国際学院高)にダイレクトボレーで叩き込まれ、0-1で試合を折り返す。ハーフタイムに前田雅文監督が「自分たちのやるべきことができていない。コンビネーションプラス即時奪回の連携をまずやろう。プレーに連続性を出していこう」と選手たちの意識を統一させると、後半は運動量でもびわこ大を上回り、圧倒した。

 勢いに乗れたのは、後半開始早々の同点弾も大きかった。主将・深澤佑太(4年=大阪桐蔭高)の縦パスに久乗聖亜(4年=東山高)が抜け出し、GKをかわして角度のないところから上手く流し込んで試合を振り出しに戻すと、その後は多彩なコンビネーションを生かした攻撃でゴールラッシュ。今季のリーグ戦では、先制されると勝利できていなかっただけに、チームとしての成長を感じさせる鮮やかな逆転劇で決勝進出を決めた。

 この日1ゴール2アシストの深澤は「目に見える結果で勝利に貢献できてうれしい」と笑顔で振り返るが、「前半に緩さがあったところは、主将としてまだまだ突き詰めていかなくては」と引き締める。大所帯の関大を率いる主将だが、自分から手を挙げたわけではなく、周囲に推されて役割についた。

 当初は「主将をやるのは嫌だった」と明かすが、「やるからには覚悟を決めました」と、責任ある立場を引き受けた。決意を固めたのは高校の同級生である関西学院大・木村勇大(4年=大阪桐蔭高/京都内定)の存在も大きかったと話す。「あいつがあんだけ活躍してる中で、自分は3回生のときに活躍できてなかった。勇大から刺激をもらってきたので、逆に僕が彼のいるチームを倒して刺激を与えられるようにしたい」という思いも決断の理由になった。

 負けられない人はもうひとりいる。2歳下の弟で中京大に所属する深澤壯太(2年=大阪桐蔭高)だ。壯太がデンソーチャレンジの東海選抜に選ばれていることに、悔しさも刺激も感じていただけに、総理大臣杯では「めっちゃ対戦したい。兄貴の力を見せたい」と対戦のチャンスが巡ってくることを心待ちにする。

「次に向けて切り替えて、しっかりとコンディションを整えて、決勝に臨む。ここで一喜一憂せず、優勝してみんなで喜びたい」と、決勝へ準備を整える。優勝を勝ち取り、カップリフトする姿を見せることが、木村や弟の壯太にとってはなによりの刺激となるだろうことは間違いない。

(取材・文 蟹江恭代)
●第100回関西学生L特集

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