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[MOM872]筑波大MF角昂志郎(3年)_「NEXT三笘は筑波から」

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先制点を決めて喜ぶMF角昂志郎

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.29 関東大学L1部第4節 筑波大1-1明治大 筑波大G]

 “勝ち点2”がするりとこぼれ落ちた。筑波大は1点リードの後半アディショナルタイムにエリア内でMF佐藤恵允(4年=実践学園高)を倒してしまい、PKを献上。これをFW太田龍之介(4年=岡山U-18)に決められて、引き分けに持ち込まれた。後半38分にPKで先制点を決めていたMF角昂志郎(3年=FC東京U-18)も「結果が全てのスポーツ。悔しさしかないです」と唇を噛んだ。

 PKでは対峙したGKに心を躍らせた。明治大の守護神、GK上林豪(3年=C大阪U-18)はデンソーカップチャレンジを戦ったU-20全日本大学選抜のチームメイト。その後、全日本大学選抜にも選ばれ、日韓定期戦を戦った。今春初めて同じチームで戦ったと思えないほど打ち解け合った2人は、「デンソーの時は部屋でめちゃめちゃ熱く語ったり、今でもほぼ毎日くらい連絡を取り合っている」仲になったという。

 先日まで行われていたU-22日本代表合宿は、半数以上が大学生で構成された“サバイバル合宿”だったが、角も上林もそこに入ることは出来なかった。なぜ俺らが――。お互いに思いのたけをぶつけ合ったというが、「また今度一緒に入ろう」「自分たちが出来るプレーをして、それが評価されれば絶対に入れる」と声を掛け合った。

 試合では終盤に2人に寄せられた場面で相手を簡単に外し、さらに得意のドリブルで観衆を沸かせる場面もあった。「自分の武器なので。出来て当たり前くらいじゃないといけない。NEXT三笘を筑波大から出したいという個人的な思いがある。自分の武器であるドリブルは、プロの世界で通用するように、大学で磨きたいなと思います」と鼻息を荒くする。

 不調だったという昨年から抜け出したようだ。昨年は3月のデンソーカップチャレンジでミスを連発したことで「いろいろ崩れた」。11月にはU-21日本代表のトレーニングパートナーに招集されたが、そこでも「プレッシャーに負けて何も出来なかった」。ただ考え込んでいても沼にはまるだけ。とにかく「自信を持ってプレーしよう」と心掛けることで、ボールを持つことも怖くなくなったという。

 3年生になった今年からFC東京U-18時代にも背負った背番号10をつける。「筑波の10番は上手くて、いなせてというタイプが多くて、(自分は)らしくない選手だと思うけど、戦う部分も含めた選手になりたい」と自覚を高めている。

 19年にU-17W杯を経験した若き侍戦士が見ているのは、常に世界。「半分焦りもあって、早く海外に行かないといけないというのがあるんですけど、いい意味で(筑波大で)4年間を過ごした三笘さんが活躍している。焦ることはないなとも思っている。あと2年間ですけど、充実させられたらなと思います」とここでも「NEXT三笘」が自分であることを証明するつもりでいる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第97回関東大学L特集

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