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[MOM905]筑波大MF田村蒼生(3年)_「筑波には俺もいる」“念願”柏練習参加でも気持ちを上げる

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1得点を決めたMF田村蒼生

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.1 関東大学L1部第15節 筑波大3-1国士舘大 筑波大G]

 筑波大の開学50周年記念と銘打って行われたホームゲーム。途中から生憎の豪雨に見舞われた試合になってしまったが、筑波大は前半だけで3得点を奪って勝利を飾った。

 MF田村蒼生(3年=柏U-18)はこの日は左SHで先発。今年はトップ下での出場が多く、久々に同ポジションでの出場となっていたが、試合開始から積極的にプレー。本人も「最初のプレーで行けたので、今日は行けるかなという感じも持てた」と振り返るほど、軽快さをみせた。

 すると1点リードで迎えた前半31分、中央をドリブルで運んだ田村がエリア手前から右足を一閃。ゴール左隅に豪快に蹴り込んで追加点を奪った。約1か月半あったリーグの中断期間を「挑戦する期間」にしたという田村は、「ミドルシュートで今年は点が取れていなかったので、新たな形が出せたのかなと思います」とはにかんだ。

 一方で悔しさもボールにぶつけていた。現在開催されているアジア大会サッカー競技に出場するU-22日本代表に大学生が多く参加している中で、筑波大からもMF山内翔、MF角昂志郎、FW内野航太郎の3人が参戦。ただ田村が呼ばれることはなく、さらに先日まで韓国遠征を行っていた全日本大学選抜からも声がかかることはなかった。「筑波には俺もいるということを結果として示すことができた」。3人で同じレベルにあることを、これからも結果で示し続けるしかない。

 ただ代表に参加できなかったことで、嬉しい誘いも受けていた。大学に入って初めて、高校時代までを過ごした柏レイソルから練習参加の打診を受けたのだ。「気持ちが上がりましたね」と心からの声を漏らした田村は、「守備のところでもっと貢献しないといけないと感じた。攻撃プラス守備もという感じです」と新たな刺激を貰うことができたという。

「同学年のセキ(関根大輝=拓殖大)とか大誠(桒田大誠=中京大)が入ることになったけど、自分はチャレンジャーなので、やるしかない。でも自分も大学に入って強度の部分は上がっていると思うし、プレー選択が身に付いたのかなと感じている。上の世界に行けるように、できることを一個ずつやっていくしかないと思っています」

 近年、MF三笘薫を輩出したことで話題を集める筑波大だが、タイトルからは2017年にリーグ優勝を果たして以来、遠ざかっている。2位と勝ち点3差で迎えている終盤戦。残り7試合の戦いにモチベーションが上がらないわけがない。またアジア大会に参加する3人が帰ってくる14日の次々節となる第17節では、流経大との天王山も待っている。田村も「3人が帰ってくるまで連勝で終わって、茨城ダービーに挑みたい。個人的にも同期の中島舜がいて燃えるところがある。負けられないので楽しみです」と気合十分に話していた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第97回関東大学L特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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