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[MOM944]明治大MF藤森颯太(3年)_得点力覚醒“Wソウタ”で量産体制!

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.27 関東大学L1部第3節 流経大0-3明治大 RKUFF]

 “Wソウタ”が止まらない。明治大で開幕から競い合うように得点を重ねるMF中村草太(4年=前橋育英高)とMF藤森颯太(3年=青森山田高)が、この日はアシストを含め全3得点を2人で取り切った。

 まずは前半20分、カウンターから藤森がエリア内にドリブルで運ぶと、横パスに走り込んだ中村がシュート。滑り込んだ相手に当たってディフレクションしたボールがゴール左隅に決まり、先制点が生まれる。

 さらに前半28分には左エリア内でこぼれたボールに反応した中村の横パスを藤森が左足で蹴り込んで加点。とどめは後半24分、GK藤井陽登(3年=矢板中央高)のロングキックで裏に抜けた中村が相手GKも外してラストパス。藤森がダメ押し弾を蹴り込んだ。

「1点目は味方が上手く奪ってくれて、草太さんがいい突破をしてくれて、自分は流し込むだけだった。2点目もそうですが、自分は無人のゴールにチョンとするだけだった。草太さんも点を取りたかったと思うけど、出してくれた草太さんに感謝ですね」

 青森山田高時代も高校選手権で活躍するなど、全国区の知名度を誇った藤森は、明治大進学後も1年目15試合、2年目に19試合とコンスタントにリーグ戦に出場してきた。ただ得点やアシストではあまり目立つ成績を残せなかったが、今季は3試合ですでに5得点1アシストと、目を見張る成長をみせている。

 昨季終盤からオフにかけて、覚醒に向けたプロセスを踏んでいった。きっかけはある日の練習後に中村草太に話しかけたことだった。「去年、草太さんが得点王とアシスト王を取ったことで何を意識しているのかなと思った。(中村とは)ポジションは違うけど、サイドハーフもやっていた時期もあったので、練習終わりに聞いてみました」。

 そしてそのアドバイスが生きたのが、U-20大学選抜の一員として参加したデンソーカップチャレンジだったという。「(中村に)聞いたことをずっと覚えていて、自分の中でどうやろうかと考えていた。そしたらデンソーで求められたことと合致した。そこで見える世界が開けました」。

 さらに手ごたえを掴んで帰ってきた大学の練習では、元Jリーガーの榎本達也GKコーチからアドバイスを貰うことで、新スタイルを固めていったという。「だんだん自分の中でこうしたらいいなというのが見つかってきて、何か掴みかけたときに榎本さんにこうしたらいいとか、ゲームで生きるようなポジショニングの修正をしてもらった。そこで劇的に自分の中で変わることができた。立ち位置一つで見える景色が変わったというか、攻撃に転じやすくなったと思います」。

 今季は最適な身体で試合に臨むことも意識している。「去年は筋トレをやりすぎて、身体が重いという指摘を栗田さん(監督)からもらった。逆にオフシーズンはあまり筋トレをしなかった。今も強度が高い練習になった時に筋トレをして負荷を入れるようにしていますが、試合の前日にはやらないとか工夫をしています」。すべてが今季の好成績に繋がっている。

 今季の明治大はすでに天皇杯の出場権を獲得している。茨城県代表との1回戦を勝ち上がれば、2回戦でFC町田ゼルビアと対戦することも決まっている。青森山田出身の藤森にとって、黒田剛監督が率いるチームとの対戦は当然意識することになるはずだ。「先を見すぎるとダメですけど、2回戦でゼルビアとやれる。ただまずは来週のリーグ戦。1日1日を大事にして、取り組んで行きたいなと思います」。急成長をみせる紫紺のアタッカーは、成長期を突っ走る。

(取材・文 児玉幸洋)

●第98回関東大学リーグ特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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