後半ロスタイムの劇的弾!中大2位浮上(中央大vs法政大)
[5.9 関東大学1部第6節 中央大 2-1 法政大 江戸川]
第84回関東大学サッカーリーグ1部は9日、第6節を行い、江戸川陸上競技場(東京)では中央大と法政大が激突。1-1の後半ロスタイムにFW安柄俊(2年=東京朝鮮高)が決勝ゴールを決めて中大が2-1で勝ち、2位へ浮上した。
「今の自分たちにはこれしかない」と水沼貴史監督が語った、法大の前線からの果敢なプレッシングに中大は攻撃のリズムを失っていた。法大はただ寄せるだけでなく、あと一歩のところを身体を投げ出すように頑張って踏み出すことで中大のパスコースを確実に制限、脅威を与えていたように映った。
だが指揮官に言わせると「やっているフリをしているだけで最後のところで抜いてしまっている。それが(勝敗の)差。ゴール前の質が低いし守備でも。完全な負けパターン」。0-1の後半立ち上がりにセットプレーからDF倉田健生(4年=大津高)が同点ヘッドを叩き込み、その後は鋭いカウンターから1年生FW深町健太(東福岡高)、FW深町伸太朗(3年=東福岡高)、深山翔平(3年=大津高)の3トップらが再三ゴールへと襲い掛かった法大は大量得点しても不思議ではないほどの決定機をつくっていたが、勝負どころでの「甘さ」が出て勝機を逃してしまう。
中大にとっても決して内容のよい試合ではなかった。前半7分に安のシュートで先制したものの、その後は相手ボールに寄せられず。攻撃でもチームから絶対の信頼を得ているU-19日本代表MF六平光成(2年=前橋育英高)と負傷から復帰した永木亮太(4年=川崎F U-18)中心に攻めるものの、ミスを誘発されて守勢に回る場面が多かった。佐藤健監督も「試合内容に波がある。いい試合はポゼッションをとってボールを回せるが、選手が意識を集中し続けることができずに前線と後方とが間延びしてしまう」と語ったように、自分たちのペースを持続できずに相手へ試合の流れを譲ってしまった。
それでも08年度に大学日本一に輝き、09年も同8強と近年の成績で相手を大きく上回る中大は、その勝負強さで勝利をもぎ取る。相手の運動量が落ちた終盤、ピンチをつくられながらも真っ向から攻撃を繰り出すと29分には全日本大学選抜FW林容平(3年=浦和ユース)が決定的な右足シュート。これを法大GK中根良(4年=ヴェルディユース)にストップされるなど、ゴールラインを超えることができないでいたが、それでもロスタイムの48分だ。MF佐藤謙介(4年=浦和ユース)が左サイドから上げたボールをファーサイドのDF大岩一貴(3年=中京大中京高)が競り勝って折り返すと、安がダイレクトで右足を一閃。法大の壁を突き抜けたファインゴールに、中大イレブンは喜びを大爆発させた。
開幕3連勝後、2試合白星のなかった中大。苦しい戦いが続きながらも、勝ち点を積み重ねて2位へ浮上した。次節は、09年大学選手権優勝で現在首位の明治大。首位決戦へ向けて佐藤監督は「真っ向勝負したい」と宣言し、安は「今年は明治を倒さないと優勝できないと思う。勝つ」。優勝へのライバルとなる明大からの勝利へ選手たちは意欲十分。劇的白星の勢いそのままに無敗の首位撃破へ挑む。
(取材・文 吉田太郎)
第84回関東大学サッカーリーグ1部は9日、第6節を行い、江戸川陸上競技場(東京)では中央大と法政大が激突。1-1の後半ロスタイムにFW安柄俊(2年=東京朝鮮高)が決勝ゴールを決めて中大が2-1で勝ち、2位へ浮上した。
「今の自分たちにはこれしかない」と水沼貴史監督が語った、法大の前線からの果敢なプレッシングに中大は攻撃のリズムを失っていた。法大はただ寄せるだけでなく、あと一歩のところを身体を投げ出すように頑張って踏み出すことで中大のパスコースを確実に制限、脅威を与えていたように映った。
だが指揮官に言わせると「やっているフリをしているだけで最後のところで抜いてしまっている。それが(勝敗の)差。ゴール前の質が低いし守備でも。完全な負けパターン」。0-1の後半立ち上がりにセットプレーからDF倉田健生(4年=大津高)が同点ヘッドを叩き込み、その後は鋭いカウンターから1年生FW深町健太(東福岡高)、FW深町伸太朗(3年=東福岡高)、深山翔平(3年=大津高)の3トップらが再三ゴールへと襲い掛かった法大は大量得点しても不思議ではないほどの決定機をつくっていたが、勝負どころでの「甘さ」が出て勝機を逃してしまう。
中大にとっても決して内容のよい試合ではなかった。前半7分に安のシュートで先制したものの、その後は相手ボールに寄せられず。攻撃でもチームから絶対の信頼を得ているU-19日本代表MF六平光成(2年=前橋育英高)と負傷から復帰した永木亮太(4年=川崎F U-18)中心に攻めるものの、ミスを誘発されて守勢に回る場面が多かった。佐藤健監督も「試合内容に波がある。いい試合はポゼッションをとってボールを回せるが、選手が意識を集中し続けることができずに前線と後方とが間延びしてしまう」と語ったように、自分たちのペースを持続できずに相手へ試合の流れを譲ってしまった。
それでも08年度に大学日本一に輝き、09年も同8強と近年の成績で相手を大きく上回る中大は、その勝負強さで勝利をもぎ取る。相手の運動量が落ちた終盤、ピンチをつくられながらも真っ向から攻撃を繰り出すと29分には全日本大学選抜FW林容平(3年=浦和ユース)が決定的な右足シュート。これを法大GK中根良(4年=ヴェルディユース)にストップされるなど、ゴールラインを超えることができないでいたが、それでもロスタイムの48分だ。MF佐藤謙介(4年=浦和ユース)が左サイドから上げたボールをファーサイドのDF大岩一貴(3年=中京大中京高)が競り勝って折り返すと、安がダイレクトで右足を一閃。法大の壁を突き抜けたファインゴールに、中大イレブンは喜びを大爆発させた。
開幕3連勝後、2試合白星のなかった中大。苦しい戦いが続きながらも、勝ち点を積み重ねて2位へ浮上した。次節は、09年大学選手権優勝で現在首位の明治大。首位決戦へ向けて佐藤監督は「真っ向勝負したい」と宣言し、安は「今年は明治を倒さないと優勝できないと思う。勝つ」。優勝へのライバルとなる明大からの勝利へ選手たちは意欲十分。劇的白星の勢いそのままに無敗の首位撃破へ挑む。
(取材・文 吉田太郎)