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[コマスポ]駒大、6年ぶり夏の王者に。延長戦で湯澤のスーパーミドルが歓喜もたらす

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[7.10 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント決勝 中京大 2-3 駒澤大 長居]

=夏の長居に轟いた歓喜、6年ぶりV!=

 第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント決勝は10日、大阪長居スタジアムで駒大-中京大が行われた。試合は2度リードされる苦しい展開だったが、試合に終止符を打ったのは104分、湯澤洋介(2年=矢板中央高)のスーパーミドルだった。駒大は110分の死闘を3-2で制し、6年ぶりの優勝を果たした。

 1週間に渡る長い戦いが終わった。総理大臣杯やメダルを手にした選手たちからは疲れを感じさせない満面の笑みが見られた。酒井隆介(4年=名古屋ユース)の「サイコーです!」という言葉からも読み取れる。今節は棗佑喜(4年=丸岡高)、林堂眞(3年=習志野高)の攻守の要を欠いた駒大。特にここまで2得点の棗の欠場は痛いが、「代わりの肝付将臣(3年=熊本学園大附)はスピードには劣るが、頑張れるし高さもある」と秋田浩一監督はその起用意図を話した。

 試合は早々に動く。17分に中京大の中心選手の一人、斉藤和樹に先制点を許す。失点シーンを金正也主将は「あの10番(斉藤)だけ潰せば、パスを出されないとスカウティングでも言われていたので、ああいう形で失点してしまったのはもったいなかった」と振り返った。

 しかし、駒大も黙っていない。24分、準決勝で決勝ゴールを挙げた山本大貴(1年=ルーテル学院)がドリブルで持ちこみPKゲットそれを金久保彩(4年=花咲徳栄高)が決め、同点に追いつく。その後は、両校とも連戦の疲れは見られないほどの激しい攻防を見せ、前半を1-1で折り返す。

 後半は、均衡状態が続くが65分に中京大、内田渉のスーパーFKが決まり、またリードを許す展開。ここから中京大は持ち味のディフェンス力を生かし、引き気味になり、駒大は大苦戦を強いられた。だが、先月の大臣杯予選でもチームを救った大塚涼太(4年=花咲徳栄高)が再び輝いた。

 74分に投入されると、「監督には前からガンガン行くしかないと言われた」と話した通り、果敢にプレスを仕掛け、ヘディングでも競り勝ち続ける。そして、90分、「酒井が絶対勝つと信じていた」酒井のヘディングのそらしにいち早く反応し、左足を振りぬくとゴール中央に吸い込まれ、2度目の同点に追いつく。

 延長に突入すると、1週間で4試合目。駒大の体力は限界が近づくが、「優勝したい」という気力だけで動くようだった。

 104分、途中出場の湯澤が左サイドでキープ。中へ切れ込むと思い切りよく右足を振りぬく。ボールはゴール右へ突き刺さり、この試合初めてのリードを奪った。湯澤といえば、ドリブルには長けた選手だが、シュートには積極的でなかった。

 秋田監督も「根っからのドリブラーなんで…今日も1回打てと言った。これで今日決めたことで、シュートとドリブルの使い分けができたらプレーの幅がもっと広がってくる」と今日のゴールでさらなる成長を期待。湯澤は「今日はゴールがほしかった。今までは、シュートの意識に関して薄かったが今日は意識できていた」とゴールの貪欲さを身に付けたドリブラーは語った。

 終了のホイッスルを聞いた瞬間、ピッチで跳ねまわる選手、ピッチで横たわる選手、駒大はそれぞれ歓喜の時を迎えた。これで、タイトルを知らなかった現部員たちはタイトルを経験。大会前にも「新たな歴史を築きたい」と岡田誠史コーチように強豪への新時代が到来した。

 さらに9月には大学代表として天皇杯に挑む権利も得た。試合後に話を聞いた選手たちからは「プロを倒したい」と、意気込んだ。後期リーグもこの勢いで明大に猛チャージを仕掛けたい。だが、秋田監督は「20から30メートルのパスとフィニッシュの精度はまだまだ」と課題を口にした。さらに、夏場には毎年恒例の走りこみが待っている。後期のスタートには、さらにたくましくなった「駒大サッカー」が見られるだろう。

<写真>スタンドへの挨拶で喜びを爆発させる

(文 駒大スポーツ・東條貴史)
(写真 同・近藤信太郎)

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