beacon

[総理杯予選]ロスタイム2発!古豪・日本体育大が大逆転で筑波大下し、全国王手!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.26 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦Bブロック2回戦 筑波大2-3日本体育大 RKUフットボールフィールドA]

 26日、夏の大学日本一を争う第35回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの関東代表決定戦が各地で行われ、Bブロック2回戦では関東大学リーグ1部の名門・筑波大と同2部の日本体育大が対戦。後半ロスタイムにMF新井純平(3年=つくば開成高)とMF田中豪紀(2年=三菱養和SCユース)の連続ゴールにより逆転した日体大が3-2で筑波大を下した。

 かつて全日本大学選手権を2度制しながら、一時は東京都リーグにまで降格していた古豪が大逆転で全国V候補を沈めた。MF八反田康平(4年=鹿児島中央高)、FW瀬沼優司(3年桐光学園高)、MF谷口彰悟(2年=大津高)の全日本大学選抜3選手が先発した“タレント軍団”筑波大との一戦は1-2で後半ロスタイムへ突入。終盤、運動量の落ちた筑波大からボールを支配し、サイドから連続攻撃を仕掛けていた日体大だったが、最後の壁を破ることができないまま窮地に追い込まれていた。

 それでも「走るところを走るのが日体の強み。最後まで走ることが勝利につながった」と田中豪が力をこめたように、日体大は元ジュビロ磐田監督の鈴木政一新監督の下で確立したポゼッションスタイルと伝統の走力で名門を打ち破った。後半29分に投入されたMF野田彰吾(2年=東亜学園高)とFW北脇健志(2年=東京Vユース)が前線の動きを活性化。効果的なスペースへの動きと「毎日やっていた」(新井)というサイド攻撃がついに筑波の青い壁に穴を開ける。

 まずは47分だ。田中豪がスライディングでつないだボールから、試合終盤に攻撃参加の回数を激増させていた10年U-19日本代表の右SB田中優毅(3年=四日市中央工高)が右サイドをえぐって折り返す。DFの足に当たってややコースの変わったボールの先にいたのは、前半11分にカットインから鮮やかな先制ゴールを決めていた新井。背番号7が放った渾身の右足シュートは、ゴール上方のネットに突き刺さった。

 2-2の同点。ロスタイム表示の3分台へ入り、会場のほとんどが延長戦突入を予想した。だが新井は「時間がないのは分かっていました。でも追いついて、まだいけると思った」。その言葉どおり、日体大のドラマはロスタイム同点劇だけでは終わらなかった。48分、右サイドでパスを受けた10番・田中豪が中央へ切れ込みながら左足を振りぬく。これがゴール左隅へ吸い込まれると、白いユニホームが一斉に走り出した。左手を突き上げた田中豪を中心とした歓喜の輪はタッチライン際で待ち構える控え選手たちを加え、完全に興奮状態。殊勲の田中豪は「いいとこ取りですね。筑波は1部でも強いチーム。ここに勝てたことでレベルアップできたと思う」。

 日本一を狙う筑波大にとってはまさかの敗戦となった。先制された5分後にMF上村岬(2年=磐田ユース)が右足FKを直接ねじ込み、後半10分には交代出場のMF葺本啓太(1年=浦和ユース)のスルーパスからFW曽我敬紀(3年=横浜FMユース)が勝ち越しの左足ゴールを決めた。右FWで先発し、後半はCBを務めていた車屋紳太郎(1年=大津高)やCB松田貫(3年=山口高)らが好守を見せていたが、最後踏ん張りきれなかった。

 名門を突破した日体大は6月8日、全国大会出場権を懸けて関東1部リーグ戦で首位を走る流通経済大と対戦する。新井は「流経とやりたいというのがスゴクあった。今年は(新監督の下で)サッカーも変わって手ごたえがある。流経に勝てれば、その力はホンモノ」。今季関東2部リーグでも無敗と好調な古豪が、全国レベルの強豪を連破し全国復帰を実現する。

[写真]後半ロスタイム、日体大・田中豪(中央)が決勝ゴール!
(取材・文 吉田太郎)

TOP