beacon

全日本大学選抜、「アウェーの洗礼を受けに」 インドネシア遠征を実施、現地ではACL出場チームと有料試合も

このエントリーをはてなブックマークに追加
 来月2日から行われる大学の地域選抜対抗戦、第26回デンソーカップチャレンジサッカー宮崎大会の記者発表が20日に、東京都内で行われた。会見には日本サッカー協会の田嶋幸三副会長兼専務理事をはじめ、全日本大学サッカー連盟の松本健一副会長やデンソーカップ実行委員会の乾真寛本部長(福岡大)が出席した。

 会見では、今後の全日本大学選抜のスケジュールについても発表され、大学サッカーとしては"異例"の東南アジア遠征の詳細が明かされた。3月16日から21日の6日間にかけて、インドネシアで強化合宿を行うことが決まったのだ。

 なお、デンチャレに出場する全日本大学選抜は、2013年に行われる第27回ユニバーシアード競技大会を見据えたメンバー。そのため、1、2年生が中心となっており、3年生は選出外。しかし、3月25日に国立競技場で行われる日韓大学定期戦を戦う全日本大学選抜は、3年生を含め、1~3年生で編成された現在の大学サッカー界・最強のチームで戦う。それゆえ、デンチャレがインドネシア遠征及び日韓大学定期戦を行う全日本大学選抜メンバー選考の場となる。デンチャレ最終日に遠征メンバー22名は発表される予定だ。

 これまでヨーロッパ遠征などを重ねてきた全日本大学選抜だが、今回インドネシアを遠征の地に選んだのには理由がある。松本副会長は「アウェーの洗礼を受けられる場所で試合をして、その経験を今後に活かすことができればと思った」と話し、乾本部長は「ユニバーシアードの過酷な日程を戦う上で、インドネシアなどの環境を経験するのは非常にいいこと」と説明した。乾氏はすでに遠征先の視察を終えており、「インドネシアはプロリーグの人気も非常に高い。練習試合ではACL予選をイメージしたレベルでの試合はできる」と太鼓判を押した。今回の遠征のきっかけは、昨季のACLでC大阪と戦った、インドネシア・プレミアリーグのアラマ・マランと乾氏がコンタクトを取ったことが、きっかけとなったという。

 現地では3試合の練習試合を行う予定となっているが、そのうち2試合はペルセラFC、アレマ・マランと国内トップリーグ(インドネシア・プレミアリーグ)のチームと対戦する。国内ではサッカーの人気が高く、全日本大学選抜との試合でも、約1万5000人の集客が見込まれるという。そのため、この2試合は有料試合として行うことも決まった。観戦料は日本円にして約100円ということだが、国立競技場で行われる全日本大学選手権決勝と同数の観客を前に、東南アジアのアウェーの地で試合ができることは、選手たちにとって大きな収穫となるはずだ。なお、興業試合として行うため、全日本大学サッカー連盟にもわずかだが、収入が見込まれるという。これも新たな試みといえる。

 また試合を行うだけでなく、現地の日本人学校を訪問し、サッカーの指導を行うほか。遠征の中日に当たる19日には、現地の学校に通う子ども約300人を集め、サッカークリニックも予定されている。サッカー選手としてだけでなく、人としての成長を促すという大学サッカー界の理念の下、社会貢献活動も行う。インドネシア遠征でどれだけのものを得ることができるか。初の試みに期待は高まる。

(取材・文 片岡涼)

TOP