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流通経済大・椎名が806日ぶりの国立ゴール!!「やっぱり気持ちがいい」

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[3.25 デンソーカップ第9回大学日韓(韓日)定期戦 日本2-1(延長)韓国 国立]

 実に806日ぶりの国立競技場でのゴールとなった。後半13分、全日本大学選抜に先制点をもたらしたのはMF椎名伸志(流通経済大2年=青森山田高)。青森山田高3年生時の10年1月9日・全国高校選手権準決勝の関大一高戦(2-2・PK2-3)以来の"聖地"でのゴール。試合後には「国立は国立の雰囲気がある。(国立での)ゴールは選手権以来2回目ですが、やっぱり気持ちがいいです」と笑顔を弾けさせた。

 こう着状態のなかで生まれた一撃だった。0-0で迎えた後半13分、左サイドMF泉澤仁(阪南大2年=新潟ユース)がゴールライン際から左クロス。ニアサイドでDF二見宏志(阪南大2年=奈良育英高)が粘ると、最後は走り込んでいた椎名が拾い上げて左足シュート。日本が先制に成功した。

 試合後には「点数を取れたことはうれしかったですが、それだけで終わってしまった」と悔しい表情。それでも「インドネシア遠征でもチャンスは来るのに決めきれなくて……一昨日の駒沢大との試合ではやっと点を取れたのでいいイメージを持っていた。きょうは途中からだったけど試合に出れて、得点できたことは素直にうれしい」と振り返った。

 高校時代には左膝じん帯断裂で全治8か月という大けがを乗り越え、全国高校選手権で準優勝に輝いた。そして名門・流通経済大に進学。1年生時からトップチームに絡むも、チームのリーグ戦での成績は1年生時は9位、昨季の2年生時は8位と乏しい結果に終わった。椎名自身も思うようなプレーができず、細かい故障が続くなどスランプも重なり、苦しい時期が続いた。それでも昨季は2年生ながら8月に中国・深センで開催されたユニバーシアード競技大会に出場するなど、経験を重ねてきた。そして迎えた日韓定期戦、待望の大舞台でのゴール。自らの出来には満足してはいないようだったが、試合後は久しぶりに笑顔がみられた。

 そんな椎名も4月からの新シーズンは、上級生にあたる新3年生として迎えることになる。椎名にとっての大学サッカーも残るは2年。早くも折り返し地点にやってきた。「とにかく自分が大学に入ってからはリーグで8位と9位っていう不甲斐ない成績で終わってるので。チームをリードしながら結果を残したい」。新シーズン、さらなる期待のかかるMFは力強く言い切った。

(取材・文 片岡涼)

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