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南アW杯ではカメルーンを指揮、ル・グエン監督「日本は2年前より成長している」

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 明日3日のW杯アジア最終予選第1戦で日本代表と対戦するオマーン代表が2日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行った。練習前にはポール・ル・グエン監督とGKアリ・アル・ハブシ(ウィガン)が記者会見に出席。アル・ハブシは「このレベルにいると、自信は不可欠だ。自信がなければ良いプレーはできない。明日の試合はとにかく最初の25分間でいい結果を出せるようにしないといけない」と意気込んだ。

 日本代表FW宮市亮(ボルトン)とプライベートでも仲がいいというアル・ハブシは「彼とは近所でもあるんだ。明日の試合で彼と対戦できるのは楽しみだよ。日本に来てから、彼とも話をしたんだ」と明かす。2月11日のボルトン戦では決定機で宮市のシュートをセーブ。その再現を狙う守護神は「無失点に抑えるには、全員がハードワークしなければいけないし、90分間集中しないといけない。とてもハードでタフになるけど、準備はできている。もちろん、自信もある」と語った。

 ル・グエン監督は11年6月にオマーン代表の監督に就任。同年9月に始まったW杯アジア3次予選はホームでサウジアラビアと0-0、アウェーでタイに0-3、アウェーでオーストラリアに0-3と、最初の3試合は1分2敗と出遅れた。しかし、その後はホームでオーストラリアを1-0で下し、敵地でサウジアラビアと0-0、最終戦はホームでタイに2-0で勝ち、グループ2位で最終予選進出を決めた。

「最初の数試合はうまくいかなかった。オマーンの国内リーグが始まっていなかったし、選手のコンディションもフィットしていなかった。監督が代わって時間もなかったから、監督は選手のことを分かっていなかったし、僕たちも監督のやりたいシステムが分かっていなかった」。そう振り返るアル・ハブシは「試合を重ねるごとに自信を付けていった。忘れてはならないのは、6試合を戦って4試合を無失点で終えていることだ。我々は最も厳しいグループに入っていた。そこを勝ち抜いたことは大きい。自信を持って、ここに来ることができた」と力を込めた。

 10年の南アフリカW杯でカメルーン代表を指揮し、グループリーグで日本とも対戦しているフランス人指揮官は「カメルーンとオマーンはまったく違うチームなので比較はできない。もちろん、あの試合を忘れることはできないが、それがアドバンテージになることもないだろう。今はオマーンの監督なので比較することは不可能だ」と指摘。南アフリカW杯では日本がMF本田圭佑のゴールで1-0で勝っているが、「日本代表は2010年のときからさらに成長している。香川のような新しい選手も加わり、2年前より良いチームになっている。バランスの取れたチームで、世界でもトップレベルの選手がいる。そういう選手がいるチームは違いを生むことができる」と警戒を強めた。

「今日の午前中に日本の映像を選手と一緒に見た。どのあたりが日本の強さで、だれがカギになるかなどを確認した。我々は対策を考えているが、同時にだれもが日本のことを知っているし、選手たちも最初からいろんなことを知っていた。日本の選手たちは欧州の有名なクラブで活躍している。明日の試合も、我々にとって驚くようなことはないだろう」

 “褒め殺し”のようにザックジャパンを絶賛したル・グエン監督。本音は隠したまま前日会見を終え、いよいよ決戦に臨む。

(取材・文 西山紘平)

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