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横浜FC香港・MF吉武「僕のサッカー人生にとって、価値のある挑戦」

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 8月31日に開幕する香港サッカーリーグディビジョン1に参入する横浜FC香港は、開幕前のトレーニングキャンプを日本で行っている。13日には横浜FCと練習試合を行い0-2で敗れたが、前半にはカウンターからチャンスをつくるなど、結成間もないながらも、徐々にチームの形ができていることを伺わせた。

 このクラブには、01年から6シーズンに渡って横浜FCでプレーしたMF吉武剛が加入した。練習試合を終えた吉武は「まだまだ勝負強さも必要ですし、練習の中から厳しくやっていかないといけませんが、プロになって今年が1年目という選手が多い中でも、良くなっています」と手応えを口にした。

 吉武は06年まで横浜FCでプレーした後、07年から2シーズン、東京Vでプレーしている。その後はアメリカに渡り、タンパベイ・ローディーズなど4クラブで4シーズンを過ごした。その経験もあり、チームへの順応は問題なく進んでいると話す。

「基本的にみんな英語を理解できるので。僕もアメリカで4シーズンやってきて、片言の英語は喋れるので問題ありません。チームが活気を持ってできるように雰囲気づくりを考えてやっています」

 今後、横浜FCはさらに選手・指導者の交流を行い、日本人のカラー、横浜FCのカラーを全面に出して行くと発表している。その最初の選手となった吉武は、今回のチャレンジを「価値のあること」と語った。

「僕のサッカー人生にとって、ものすごい価値のあるチャレンジだと思います。スキルアップできるチャンスだと思いますし、個人的にも大きく飛躍できる一年だと思ったので、今回、移籍という決断をさせていただきました」

 ピッチでも若い選手たちの見本にならなければいけない。「もともとはサイドの選手」と話す吉武は、この試合では2トップの一角に入りプレーした。前半13分には高い位置でのドリブルからシュートを放ち、最初の決定機をつくった。その後もボールを収めてから、周囲にパスを散らし、再び前線でボールを要求するなど、存在感を示した。味方からのパスが返ってこなく、天を仰ぐ場面もあったが、連係はこれからだと言う。

「大事なのは、やり続けること。自分がこういう動きをすることを理解してもらうことが大事なので。ポジションもボールをキープできる選手がそんなにいないので今日はFWをやりましたが、求められればどこでもやりますよ」

 かつて強化指定選手だった01年に「半年だけ」吉武とプレーした横浜FCのFW難波宏明は「ツヨさん(吉武)は一つ上で、いろんなところを渡り歩いている方なので、リスペクトしています。今日の試合でも、一瞬のスピードとかドリブルとかを見ても、あらためてうまいなと感じましたし、負けてられないですね」と、刺激を受けたと話す。

 練習試合を終えた吉武は、集まっていた横浜FCサポーター、一人ひとりの握手やサインに応じ、「香港に行って、頑張ってきます」と挨拶をした。再び横浜FCのエンブレムを付けて、アジアの舞台での活躍を誓った。

(取材・文 河合拓)

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