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日本滞在44時間…細貝がボランチ勝負の後半戦へ決意の出発

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 日本に一時帰国していたレバークーゼンの日本代表MF細貝萌が28日、わずか44時間の滞在でドイツへ再び飛び立った。26日夕に帰国した細貝は27日に都内で「バイエルアスピリン 親子サッカー教室」を開催。小学1~3年生とその保護者、50組100人が参加し、親子が一緒になって細貝とともに汗を流した。

「子供がもっとサッカーを好きになってくれたらうれしい。短い時間だったけど、充実した時間だった」と、子供たちと直接触れ合うことで英気を養うと、翌28日昼には機上の人となった。日本滞在はわずか44時間。強行日程の一時帰国に「自分はうまい選手じゃない。休むなら練習して、他の海外組との差を縮めないといけない」と力説した。

 所属するレバークーゼンは今月19日のDFBポカール(ドイツ国内杯)で年内の全日程を終え、ウインターブレイクに入った。「最初はフランスに行って、3、4日間はまったく動いていない」と言うものの、すぐに自主トレを再開。チームは来年1月2日に再始動し、翌3日からポルトガルでキャンプに入るが、選手には中断期間中の自主トレのメニューも渡されていたという。サッカー教室から一夜明けた28日朝も都内のホテル周辺をランニング。ブンデスリーガ再開に備える細貝には、リーグ後半戦に懸ける強い決意がある。

 10月28日の第9節から9試合連続先発中だが、ポジションはすべてSB。中断前最後のリーグ戦となった12月15日のハンブルガーSV戦は右SBで先発したが、それ以外は左SBでの出場が続いている。19日のDFBポカール3回戦・ボルフスブルク戦は今季初めてボランチでフル出場したが、前半戦は練習でも左SBでプレーを続けてきた。

 そんな状況が2013年は変わりそうだ。細貝が定位置をつかむまで左SBのレギュラーを務めていたDFカドレツが負傷による長期離脱から間もなく復帰する。カドレツの離脱前は練習でも控え組の左SBに入ることが多かった細貝だが、チームはカドレツの故障を受け、11月に左SBのDFセバスティアン・ボエニシュを獲得しており、今後はゲーム練習などでもカドレツとセバスティアンが左SBを務め、細貝はボランチに入る可能性が高い。

「(カドレツの復帰により)周りは『また試合に出られなくなるんじゃないか』と思っているかもしれないけど、カドレツが戻ってくることで、自分は練習から真ん中(ボランチ)でできる。そういう意味ではポジティブに捉えている。確かに自分が出れなくなる可能性も高まるけど、それと並行してポジティブな面もある」

 レバークーゼンのボランチにはMFラース・ベンダーやMFシモン・ロルフェス、MFシュテファン・ライナルツというそうそうたる顔触れが並ぶ。そこに割って入るのは決して簡単なことではないが、「またポジション争いから始まる。今から後半戦が始まるのが楽しみ」と意欲的。「確かに中盤には能力の高い選手が多い。そこでポジションをつかんだら、自分が成長している証拠にもなる」と力を込めた。

 監督に求められれば当然、ポジションがどこであっても全力でプレーするつもりだ。それでも、ボランチで勝負したいとの思いは揺るがない。リスクも伴うが、今夏にレンタル先のアウクスブルクからレバークーゼンへの復帰を決意した時点で、「自分が選んだ道だから、自信を持って行った」と覚悟を固めていた。

「日本代表では今のところSBで出ることはない。チームで常に練習も試合もSBをやっていたら、代表で急にボランチをやるのは難しいし、代表からもいつか外されるだけ。ボランチでの出場が増えることが、自分の成長につながる」。本職で勝負する後半戦。さらなるレベルアップを目指し、細貝の新たな挑戦が始まる。

(取材・文 西山紘平)

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