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トッティとローマ監督が再び緊張関係か 亀裂は修復できない?

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 もはや修復不可能な亀裂があるのだろうか。ローマルチアーノ・スパレッティ監督とFWフランチェスコ・トッティが、17日の試合後に衝突し、口論したという。だが、スパレッティ監督は声明で報道を否定した。

 ローマは17日、セリエA第33節でアタランタと敵地で3-3と引き分けた。2点を先行しながら逆転され、敗色濃厚だった終盤に同点弾を挙げたのは、途中出場したトッティだった。

 39歳のトッティは、契約が満了する今季終了後の去就が騒がれている。シーズン途中には、現状への不満をメディアで明かし、スパレッティ監督が試合のメンバーから外すという騒動もあった。

 今後をめぐる騒動が続くなかで、チームを救った形のトッティのゴールは、改めてその存在感を際立たせた。トッティは前節もチームに勝ち点1をもたらす同点弾をアシストしている。

 だが、トッティばかりにスポットライトが当たることを嫌ったのだろうか、スパレッティ監督は試合後にキャプテンの功績を強調することを拒んだ。さらに、決定機をたびたび外し、批判されたFWエディン・ジェコを擁護し、トッティとの比較が背番号9を苦しめているとも述べている。イタリアメディアがコメントを伝えた。

「トッティが試合を救ったのではない。試合を救ったのは、チームだ。仲間たちが彼に対してうまく用意し、彼は素晴らしいゴールを決め、引き分ける可能性を与えてくれた。彼はチームの一員であり、チーム全体がやるべき仕事をしている。トッティは今から3年後でも、ああいうゴールを決めるだろう。だが、明るみにならない別のこともあるんだ」

「君らメディアはジェコとトッティを比較し、みんながトッティを望んで、ジェコが酷評される。彼はその比較に苦しんでいるんだ。トッティのゴールで、私にとって何かが変わることはない。我々は彼がいなくても9勝を挙げた。彼がいなくても我々は良いプレーをし、彼がいても良いプレーをする」

 トッティからすれば、功績が称賛されず、ジェコが低調な原因も自身との比較のせいだと言われた形だ。さらに、試合後にスパレッティ監督がチームを叱責したことも、キャプテンを苛立たせたかもしれない。報道によると、ロッカールームに向かう選手たちを待っていたスパレッティ監督は、「お前たちは10年もずっとクソったれなことをやっている」とパフォーマンスに激怒したという。

 当初は衝突した両者が手を出したとの報道もあったが、関係者はこれを否定している。そして、スパレッティ監督はその後、クラブの公式ウェブサイトで声明を出し、次のように強調した。

「報道にとても驚いている。私は退席を命じられたから、選手たちとはロッカールームへ続くトンネルに入っていない。ロッカールームで選手たちを待っていた」

「もちろん、試合には満足していなかったから、彼らに言うべきことはあったよ。だが、選手たちと口論だとか、ましてや手を出したなどということはないと断固否定する。選手たちに手を出したことはない。時間の無駄だ。明日からトリノ戦に向けて仕事する」

 だが、トッティとスパレッティ監督の関係が冷やかになっているとの見方は少なくない。チャンピオンズリーグ出場権を争う大事なシーズン終盤戦、そしてトッティやスパレッティ監督の去就への影響が気になるところだ。ウルトラスは「キャプテンに敬意を」との横断幕を掲げ、トッティ支持の姿勢を打ち出しているようだが…。


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