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室屋成に対する独レポーターの「スシの国」炎上発言、なぜドイツ人には人種差別に聞こえる?

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 ドイツ『スカイ』のレポーターを務めるヨルク・ダールマン氏は先日のリーグ戦で、ハノーファーDF室屋成が好機を逸した場面で日本を「スシの国」と形容。『ビルト』など同国複数メディアが、同氏の発言によりSNS上で炎上が巻き起こされたと伝えている。

 6日に行われたブンデスリーガ2部第24節でエルツゲビルゲ・アウエとハノーファーが対戦。室屋が原口元気とともにフル出場したこの試合は、1-1のドローに終わっている。だが、物議を醸したのは終了間際にダールマン氏が発した言葉だった。

 62歳の同氏は、室屋が好機を逸した場面で、「(決めていれば)ハノーファーでの初ゴールだった。彼が最後に点を取ったのはスシの国でのことだ」と表現。これを『ビルト』が取り上げたところ、それを受けて視聴者が反応し、「人種差別は耐えられない」「最悪」「スカイ、どうにかしろ」など批判の声が上がった。

 ダールマン氏自身は『インスタグラム』で、「普段ならこのようなナンセンスに反応することはない。日本のことをスシの国と言ったら、それは人種差別なのか? 君は本気でそう言ってるのか?」と主張。自身の言葉が人種差別的と解釈されることに理解を示さなかった。

 『ビルト』は、この件についてのハノーファーのスポークスマンのコメントも紹介。「あの発言は面白くなかったし、ウケることもなかった。ただ、それでヨルク・ダールマンが人種差別的な考えだと言うのは違うだろう」と、ただのつまらない発言だったとした。

 では「スシの国」はなぜ、一部のドイツ人に差別的と受け取られるのだろうか。それを理解するにあたっては実際のドイツ語を見る必要があるだろう。ダールマン氏はスシの複数形「Sushis」を使い、正確に訳せば「スシらの国」と形容していた。イギリス人に“クラウツ”(ドイツ名物のキャベツの漬物『ザワークラウト』が由来)と呼ばれ、それを嫌がるドイツ人の耳には日本人が食べ物に例えられる軽蔑的な発言に聞こえたのだ。

 また、『ビルト』が省略して引用した上記のダールマン氏がインスタグラムに投稿した文書には続きがあり、プレミアリーグでのリバプールとチェルシーの対戦を引き合いに出し、「先週イギリス中でクロップ対トゥヘルのクラウト対決が騒がれていた。それこそバカげている」と指摘していた。

 なお、数カ月前にウニオン・ベルリンのGKロリス・カリウスのパートナーに対し、女性を軽蔑する失言も発したダールマン氏は、今シーズン限りでの『スカイ』からの退社が決まっている。

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