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マンUサポ団体が新たな声明…オーナーに叩きつけた“4つの要求”

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オールド・トラフォード周辺で大規模な抗議集会が行われた

 マンチェスター・ユナイテッドのサポーターズ・トラストは3日、クラブのジョエル・グレイザー会長に向けた公開レターを発表した。前日2日に本拠地オールドトラッフォードで起きたトラブルにも言及した上で、サポーターの主張に歩み寄るよう求めた。

 マンチェスター・Uのサポーターは2日、クラブが賛同した欧州スーパーリーグ構想に反対するため、プレミアリーグ第34節リバプール戦の試合前にオールド・トラフォード周辺で抗議集会を実施。そのうち約200人がスタジアム内に乱入し、警察当局と衝突する事態に発展したため、リバプール戦は延期を強いられた。

 ファンの抗議活動による試合中止はプレミアリーグ史上初。世界の注目を集めたこのトラブルについては3日、集会を主導していたサポーターズ・トラストがグレイザー会長への公開レターという形でメッセージを発表した。

「まず初めにはっきりさせておきたいのは、昨日オールドトラフォードで起きたことが恒例の出来事になることは誰も望んでいないことだ。われわれはフットボールファンであり、われわれのチームをサポートしたいと考えている。フットボール場の外で抗議集会を行うために休日を過ごしたくはない」。

 そんな書き出しで始まったメッセージだが、それ以降はグレイザー氏への不満が書き連ねられた。

「しかし、今回起きたことはあなたの家族がオーナーシップを保有していた16年間の集大成だ。クラブは借金と衰退に追い込まれ、われわれはこれまで以上に無視され、見捨てられたと感じている。これまでの16年間、グレイザー家はサポーターズトラストと一度も会話をしたことがなかった」。

 一方、一部サポーターによる暴動には否定的な見解も示された。

「昨日、そのフラストレーションは頂点に達した。抗議活動に参加した何千人もの参加者の大半は平和的かつ敬意を持って自分たちの声を聞いていた。われわれはファンが合法的に抗議する権利を支持する」としつつ、「個人的にそういった行為を目撃したわけではないが、いかなる暴力行為を容認するものではもちろんない」と伝えている。

 その上で「前進する方法を見つける必要がある」と主張するサポーターズ・トラストは以下の4点を求めている。

1.政府が先導しているように、サッカーをファン主導な形に見直すよう積極的かつオープンに取り組み、オーナーシップ構造をサポーターに利益があるものに変えていくこと。

2.株主ではなく、クラブの利益を守ることをただ一つの目的とする独立した取締役をただちに取締役会に任命すること。

3.マンチェスター・ユナイテッド・サポーターズ・トラストや個々のサポーターと幅広く協力し、グレイザー家が保有する株式と同様の議決権を持つ株式スキームを誰もがアクセスできる形で導入すること。またもしもサポーターからの強い要望があれば、グレイザー家の持ち数が少数派になったり、完全に買い取られることをも歓迎し、反対しないこと。

4.われわれが参加する大会も含めたクラブの将来に関わる重要な変更については、シーズンチケットホルダーとの十分な協議にコミットすること。

 サポーターズ・トラストはこれらの4点について、金曜日(5月7日)までに返答することを要求。「これがこの問題を前進させる唯一の方法だ。やってみることを強く要望する」としている。

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