beacon

シントトロイデンが求める「新しい香川真司」

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF香川真司

 シントトロイデンは11日、MF香川真司の新加入記者会見を開いた。香川の登壇前には立石敬之CEOが獲得理由を説明。経験豊富な元日本代表MFに対し、“二つの役割”を期待しているという。

 一つ目の役割は香川のピッチ内でのパフォーマンスだ。香川は昨年9月以降、公式戦出場から遠ざかっており、コンディションには不安も残る。そうした中、クラブスタッフはかつての香川が見せていたパフォーマンスを求めていくのではなく、新たな役割を見出していこうとしているようだ。

 立石CEOは「彼を獲得する際にどのクラブも、彼の昔のイメージを持って獲得するところがあった」とした前置きしつつ、「全盛期はそれくらいの大きなインパクトをヨーロッパでも与えたと思うが、私どもが監督と相談した結果、もちろん攻撃的なタスクを中心として担っていただきたい中でも少しボールをたくさん触れながらゲームを落ち着かせたり、コントロールしたりというところの新しい香川真司を作っていこうよ、それがSTVVの強化につながるんじゃないかという話をさせていただいた」と明かした。

 香川自身もプレーの幅を広げることについて前向きな姿勢を見せる。

 香川は会見で「チームが変われば、監督が変われば、サッカーは常々変わるし、求められるものも変化する。新しいチーム、監督のもとで変化、進化していきたい」と意欲をアピール。「自分自身もそのチャレンジを必要としているし、監督と話した中で非常に魅力的だと感じた。それが自分を大きく成長させてくれるし、今の自分に必要だなと感じた。新たなポジションで自分自身を築いて行ける」と自信を示した。

 続く二つ目の役割は、香川がこれまで積み上げてきた経験を、クラブや若手選手に継承することだ。

 立石CEOは「クラブ買収に至った経緯としては、若い選手をヨーロッパでステップアップさせる窓口としてだが、香川真司の獲得というのはお互いにとって新たなチャレンジだと思っている」と説明。DMMグループが経営権を持つシントトロイデンはこれまでMF遠藤航、DF冨安健洋ら日本人選手を多く獲得してきたが、いずれも若手選手。32歳の香川の獲得で新たなステージに向かおうとしているようだ。

 立石CEOは「若い選手たちがヨーロッパの舞台で最初にステップアップするチームだとしても、彼の経験がそういった若い選手たちにとってもピッチの中でも外でもいい影響を及ぼしてくれるんじゃないかと考えている。ヨーロッパと一括りに言ってもいろんな国があるが、サッカーだけしていればいいじゃないかというところでもないと思うので、彼が若い選手の成長にいろんなものを与えてくれるという期待がある」と求めた。

 香川も「経験の中で伝えられるものもあると思うので、みんなでシェアして、一体感を持って、チームが上に行くために進んでいきたい。そこはストロングポイントとして感じている」とその役割を受け入れる姿勢。また「僕も初めて同じチームでヨーロッパで日本人選手とプレーするので、非常に新鮮だし、非常にワクワクしている。彼らは若いし、強い野心を持ってチャレンジしているので、僕もそうであったように、そういった選手と切磋琢磨しながら、教えるよりも得られるものがたくさんある」と述べ、若手選手からの刺激を自身の成長につなげていく構えを見せた。

●海外組ガイド
●ベルギー・リーグ2021-22特集

TOP