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アーセナルの米代表GKマット・ターナーが天国へ届けるPK連続セーブ「つねに彼女のことを思っている」

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GKマット・ターナーが天国に届ける気迫のセーブ

 アメリカ代表のGKマット・ターナー(アーセナル)が9日、北中米カリブ海王者を決めるゴールドカップの準々決勝・カナダ代表戦に出場した。PK戦で2連続セーブの活躍をするなどベスト4入りに貢献すると、勝利後にはメッセージが記されたアンダーシャツを示して天に想いを届けた。

 後半43分にFWブランドン・バスケスのゴールで先制したアメリカだが、同アディショナルタイムに追いつかれると延長後半4分に逆転を許す。それでも同10分にオウンゴールで追いつく粘り強さを見せ、PK戦で決着をつけることとなった。

 先攻はカナダ。ターナーは1人目のキッカー・DFスティーブン・ビトーリアに意表を突く真ん中へのキックを選択されるも、見事に反応してセーブする。続くアメリカの1人目も失敗したが、カナダの2人目・MFリアム・フレイザーが右へ蹴ったボールをターナーが完全に読み切って連続ストップでチームを救う。その後は両チームの選手が成功し、迎えたカナダの5人目・FW チャールズ・アンドレアス・ブライムの蹴ったボールがクロスバーに阻まれて勝負あり。ターナーの2セーブでアメリカがPK戦を制した。

 ターナーは決着がついた直後にユニフォームを脱ぎ、「RIP MALIA」と書かれたアンダーシャツを見せて両手を天に掲げた。『FOXスポーツ』などの現地メディアによると、これはターナーの前所属クラブであるニューイングランド・レボリューション(アメリカ1部)のファンで、6月14日に小児がんで亡くなった少女に向けたメッセージだという。

 2021年にニューイングランド・レボリューションが小児がん患者支援運動の一環としてマリアさんを招待した際、当時クラブに在籍していたターナーもツイッター(@headdturnerr)でマリアさんを支援する姿勢を示していた。さらに招待試合となったリーグ戦でもターナーはPKストップの活躍をし、試合後にはマリアさんと抱擁を交わしていた。

 カナダ戦で圧巻のPKセーブを見せたターナーはヒーローインタビューで「以前はSNSを頻繁に使っていて、がん患者の子どもたちと交流していたんだ。その中にマリアという名前の少女がいた」と伝え、「彼女が亡くなったことを知った。しばらく彼女に会えていなかったし、とても残念な気持ちになった」とコメント。続けて「彼女のご冥福をお祈りするとともに、ご家族へ愛情を送ります。僕と僕の家族はつねに彼女のことを思っています」とメッセージを送った。

 また、ターナーは試合後にツイッターで「ご冥福をお祈りします。僕たちに笑顔を送ってくれてありがとう」と綴り、21年にマリアさんと交流した際の写真を投稿している。

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