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退任表明のシャビ、バルセロナ監督は「残酷な仕事」ペップも「重圧は他クラブと比べものにならない」

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今季限りで退任するシャビ・エルナンデス監督

 今季限りで退任するバルセロナシャビ・エルナンデス監督が、このクラブを率いる難しさを語った。アメリカのスポーツ専門チャンネル『ESPN』が伝えている。

 シャビ監督はロナルド・クーマン前監督の後任として2021年11月に就任。2年目の昨季に2位のレアル・マドリーに勝ち点10差をつけ、4シーズンぶりのラ・リーガ制覇を果たした。しかし、今季は調子が上がらず、スペインスーパーカップは決勝、コパ・デル・レイは準々決勝で敗れてタイトル獲得に失敗。UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)こそベスト16に残っているが、ラ・リーガでは首位ジローナと11ポイント差の4位に位置している。

 27日のラ・リーガ第22節ビジャレアル戦(●3-5)後、今季でバルセロナを去ることを発表したシャビ監督は、クラブで自分の仕事が十分に評価されたことはなく、後任がこの仕事を楽しむことは「不可能」だろうと語った。31日の第20節オサスナ戦に向けた会見で次のように話している。

「残酷で不愉快な仕事だ。日々、自分は無価値だという感覚を味わうことになる。ペップ(・グアルディオラ)にもそう言われていたが、ルイス・エンリケが苦しんでいるのも見た。要求のレベルに問題がある。楽しめるものではない。常に命を懸けてプレーしている。つらいね。私たちがしてきた仕事は十分に評価されていない。私はクラブの歴史上、最も困難な時期に2021年にやってきた」

 何をやっても評価されない現状に対して「消耗するし悲しくなってくる」と心境を吐露したシャビ監督は「クラブ、クラブを取り巻く環境、要求……それが、今が退任するタイミングだと感じた理由だ」と説明。ジョアン・ラポルタ会長には「チャンスと自信を与えてくれたことに感謝している」と語った。

 バルセロナの指揮については、同クラブで黄金期を築いた現マンチェスター・シティジョゼップ・グアルディオラ監督も、プレミアリーグのどの仕事よりも重圧を感じると主張している。

「向こうはここより1000倍も高く、タフだ。監督にとっては、ここ(プレミアリーグ)が本当の場所なんだ。もちろん、たくさんの試合と週に6回の記者会見、3日おきの試合は大変だ。でも、バルセロナで感じるプレッシャーは、他のクラブとは比べものにならないよ」

 来季から別の指揮官が率いることになるバルセロナ。シャビ監督は自身の後任が誰になろうとも「(次の監督にも)同じことが起こるだろう」と予想している。「これが問題なんだ。私は彼らに、自分らしく、自然体で、影響を受けないようにとアドバイスしたい」と話し、「私の夢はバルサの監督になり、勝利し、良いサッカーをすることだった。自分のやってきたことに誇りを持っているし、良心の呵責もない。後任者へのアドバイスとしては、バルサを楽しむことだ」と続けた。

 一方で、シャビ監督は「いつか戻ってくることを否定はしない。私はクラブマンであり、クラブが私を必要とするときには、ここにいたい」と、将来的に復帰する可能性も示唆している。

 今季の残る戦いはラ・リーガと欧州CL。シャビ監督は「今、決断したのは、変化が必要だからだ。私の優先順位は、良い結果で終わることだ。バルセロナは変化を必要としているし、これは私が下した最善の決断だと思う」とし、「(31日の)オサスナ戦では必死でプレーしなければならない。可能な限り上位でフィニッシュしたい。私は本当に気合いが入っている。選手たちにもそう伝えてある。この調子でいけるように、さらに力を尽くすつもりだ」と誓った。

●ラ・リーガ2023-24特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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