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MLSが超異例の“時間稼ぎ防止ルール”を新設!! ピッチ上で倒れ込むと2分間数的不利のリスク

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MLSが独自ルールを適用する

 メジャー・リーグ・サッカー(MLS)は21日の開幕を前に公式サイトを通じ、昨年末に決議した2024シーズンからの新ルールを説明した。FWリオネル・メッシやFWルイス・スアレスらの参戦で注目が集まっている中、選手の時間稼ぎを抑制するために2つの特別ルールを設けることが決まっている。

 1つ目は「10秒以内の交代ルール」で、交代で退く選手は10秒以内にピッチから出なければいけない。11秒以上を要した場合、交代出場する選手はプレー再開から60秒間が経過した上でアウトオブプレーとなるまでピッチに入ることができない。したがって超過した選手の数だけ、最低60秒間は数的不利の状況で戦わなければいけなくなる。

 10秒のカウントダウンは第4の審判員が交代ボードを掲げた時点から主審の計測で始まり、複数の交代がある場合は最後に交代カードが示されたタイミングからとなる。なおGKの交代、負傷交代、リーグが別途定めた特例時の交代、安全上の理由による交代は例外で、通常通りに交代が認められる。

 2つ目は「ピッチ外での治療ルール」。選手が負傷の可能性で倒れて試合が止まり、メディカルスタッフがピッチに入った場合、15秒を超えると当該選手は2分間の退出が命じられる。計測は映像を確認できるアシスタントVAR(AVAR)の支援を受けながら第4の審判員が担当し、プレーが再開されてからスタートする。当該選手が所属するチームは2分間の数的不利となる。

 このルールでも例外が用意されており、負傷者がGKの場合は適用されない。そのほかメディカルスタッフを必要とせずに選手がプレーを続行できる場合、メディカルスタッフがピッチに入る前に自らピッチの外に出た場合、脳震盪や心臓発作など命に関わるものの場合、ファールを受けて相手選手にカードが提示された場合、PKを獲得してキッカーを務める場合、出血がある場合は対象外となる。

 『ESPN』によるとこれらのルールはセカンドチームが参加するMLS NEXT PROで試験導入を実施済み。3200回以上の交代のうち「10秒以内の交代ルール」に違反した選手は10人のみだった。時間を超過した場合にはチームが数的不利となるため、選手の時間を稼ぐような行動が減り、アディショナルタイムも大幅に短くなったという。

 その一方、国際サッカー連盟(FIFA)は競技規則とは大きく異なる独自ルールの使用を禁じているため、同様のルールが他国でも採用される可能性は低いとみられる。なお、MLS担当審判員は待遇の改善を求めてストライキをする見込み。開幕からしばらくの間は、ブラジルやイタリアといった他国から招聘された審判員が新ルールをさばくことになる。
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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