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[W杯予選]対戦国・ウズベキスタンをもっと知ろう

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 サッカーW杯予選で名前を聞くようになったウズベキスタン。しかし、この国名を聞いて場所をイメージできる人はそう多くないだろう。その現実にウズベキスタンの人々は「自国の存在を早く世界に示したい」、そう訴えている。
 10月15日のW杯最終予選・日本vsウズベキスタンに向けて、本日から4日間ウズベキスタンの紹介記事をお送り致します。

[ウズベキスタンはどんな国?]
 ウズベキスタン(以下UZB)は91年に旧ソ連から独立して以来、カリモフ大統領のもと全国民が一丸となって国の発展に取り組んでいる「若さと勤勉さの溢れる国」だ。
 日本ではUZBの情報が乏しく、サッカーのニュース以外でUZBに触れる機会は少ない。しかし、ひとたび世界に目を向けると、欧米諸国はUZBを「New Western(新しい西部開拓地)」と呼び熱い視線を注いでいる。その理由はUZBが誇る天然ガスや石油などの豊富な天然資源や、世界有数の綿花生産や金の埋蔵量である。また、UZBの地理的重要性にも注目が集まっている。今後の世界経済の成長国として中国、インド、ロシア、ASEANなどに目が向けられる中、地政学的な中心地がUZBをはじめとする中央アジアなのだ。欧米諸国がUZBを「New Western」と呼ぶのは、アジア及びロシアが一層グローバル化していく中でUZBが戦略的な要衝を占める位置にあるからである。

[UZBはどこにある?]
 場所はカスピ海の東側・中央アジアのド真ん中。北にカザフスタン、東にタジキスタン、キルギス(旧キルギスタン)、南にトルクメニスタン、アフガニスタンの5国に囲まれている。日本とほぼ同等(44万7400平方㎞)の国土を持ち、首都はタシケント。人口は2740万人(日本の約1/5)を誇る。言語は主にウズベク語で、主教はイスラム教スンニー派。通貨はスム(1ドル=1293スム/08年1月現在)が流通している。UZBは中国とローマを結ぶかつての「シルクロード」の中心に位置し、ヨーロッパに近代国家ができるまでの間ユーラシア大陸の交易の中心地として栄えた。
 ところで、地図で中央アジアを見ていると国名に「●●スタン」という名前が多いのに気が付く。「スタン」とはペルシャ語で「●●の国」という意味。ウズベキスタンは「ウズベク族の国」、タジキスタンは「タジク族の国」、アフガニスタンは「アフガン族の国」という意味になる。

[UZBの見所は?]
 UZBは観光資源にも恵まれており、4つの世界遺産を有している。90年にヒワの「イチャン・カラ」が、93年に「ブハラ歴史地区」が、00年に「シャフリサブス歴史地区」が、01年には「サマルカンド文化交差路」がそれぞれ世界遺産登録。観光国としてはまだ発展途上だが、近年ではドイツ、フランス、日本からの観光客を筆頭に世界中の人々がウズベキスタンを訪れている。

(文 山口雄人)

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