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立ちはだかった195cmの壁、ファン・デル・サール「PKは気楽だった」

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[12.18 クラブW杯(FCWC)準決勝 G大阪3-5マンチェスターU 横浜]

 195cmの守護神が立ちはだかった。G大阪が放った枠内シュートは9本。それをGKエドウィン・ファン・デル・サールがことごとく弾き返した。前半13分にはFW播戸竜二との1対1をセーブ。後半20分にもMF遠藤保仁の鋭いFKに、長身の体を精一杯伸ばしてパンチングで逃れた。後半32分にも遠藤が強烈な右足ミドルでゴールを強襲したが、ここでも背番号1の壁は厚かった。「前半は相手の方が有利で、チャンスもあった。そこで止めることができてよかった」。後半に3失点を喫したが、ファン・デル・サールがいなければ大量失点の可能性もあった。アレックス・ファーガソン監督が「ファン・デル・サールが良かった。彼のおかげで勝てた試合」と最大級の賛辞を贈ったのも当然だった。

 後半40分にはPKのピンチを迎えた。“コロコロPK”の名手である遠藤だが、ここでは速くて低いボールをゴール左隅に蹴り込んだ。ファン・デル・サールは「ボールをよく見て、早く動かないようにした。通常のコーナーを狙うキックより速いぐらいだったよ。モーションを止めたり、遅くしたりすることはなかった」と、鋭い読みで遠藤が狙った左隅に跳んでいたが、わずかに手が届かなかった。「すでに5-1で勝っている状況で、あのPKが決まっても決まらなくても勝敗には関係なかった。どちらでも結果に影響しないという意味では気楽だった」と淡々と振り返った。

 21日の決勝で対戦するLDUキト(南米代表/エクアドル)についても「準決勝の試合はテレビで見た。この3日間でしっかり準備したい」とすでに研究済みの様子。「オランダ代表では世界チャンピオンになれなかったが、そのチャンスを今度はイングランドの代表として迎えられることをうれしく思っている。できる限りのことをして勝とうと思うのは当然。トロフィーを持って帰国するのと、負けて帰国するのとでは全然違う。絶対に勝って帰りたい」と強い決意を口にした。

<写真>マンチェスター・UのGKファン・デル・サール
(取材・文 西山紘平) 

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