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ピム監督の"口撃"止まらず、「問題があるのは日本のDF」「オカダは友人ではない」

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 11日のW杯アジア最終予選で日本代表と対戦するオーストラリア代表が10日、試合会場の日産スタジアムで公式練習を行った。岡田ジャパンへの“口撃”を続けるピム・ファーベーク監督は練習前に会見を開き、この日も挑発発言を繰り返した。

 コンディション不良とも伝えられているFWジョシュア・ケネディ(カールスルーエ)について「問題はない。誰かに問題があるなら、それは日本のDFにあるのでは」と指摘。「勝たなければならないチームと勝てばいいなというチームとでは、勝たなければいけないチームにプレッシャーがかかるのは当然のこと。我々は多少のゆとりを持って臨むことができる」と、精神的優位に立っていることを強調した。

 さらに、メールのやりとりをする仲だと話していた岡田武史監督に対しても「オカダさんは私の友人ではない」とキッパリ。「友人同士なら互いの誕生日を知っていて、プレゼントを贈り合うものだと思うが、私はオカダさんの誕生日を知らない」と冗談交じりに語った。

 日本が練習を4日連続で非公開にしていることを意識してか、「きょうの練習は興味深いものになる。あす試合でやることについては練習を見ていただきたい。練習を見てもらえば、すべて分かると思う」と不敵に笑った。

 その言葉通り、約1時間の公式練習はすべて報道陣に公開された。ところが、開始早々にMFビンス・グレッラ(ブラックバーン)が負傷したのか、途中で切り上げるアクシデントが発生。練習後のミックスゾーン対応がなかったため、詳細は不明だが、ボランチの主力であるグレッラの出場に黄信号がともった格好だ。

 この日来日したばかりのMFマーク・ブレシアーノ(パレルモ)、MFミル・ジェディナク(ゲンチレルビルリイ)、DFルーカス・ニール(ウェストハム)はウォーミングアップ後、別メニューで調整していたが、ハーフコートでの8対8になると、主将の二ールも練習に合流。メンバー構成の真意は分からないが、主力組と思われる8人はケネディ、FWスコット・マクドナルド(セルティック)、FWリチャード・ガルシア(ハル・シティ)、MFミル・ステリョフスキー(ダービー・カウンティ)、MFカール・ヴァレリ(グロッセート)、DFルーク・ウィルクシャー(ディナモ・モスクワ)、ニール、DFスコット・チッパーフィールド(バーゼル)という組み合わせだった。

 オーストラリアにとっては特別な思いもある。同国南東部のビクトリア州で7日に発生した大規模な山火事による死者は170人を超え、さらに増える恐れもある。ピム監督は会見の冒頭で「サッカーの話の前に、山火事の犠牲者にお悔やみを申し上げたい」と語り、試合では喪章を付けてプレーすることも明らかにした。史上最悪の惨事に苦しむ国民に明るいニュースを届けられるか。無失点での3連勝でA組首位を快走する“サッカールー”(オーストラリア代表チームの愛称)。岡田ジャパンに最大の難敵が立ちはだかる。

(取材・文 西山紘平)

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