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09年を審判で振り返る(1)アンリの"神の手"

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 09年11月18日、W杯欧州予選プレーオフ第2戦のフランス対アイルランド戦で起きたアンリの“神の手”事件は、世界中のサッカー関係者、ファンを巻き込む一大騒動となった。

 日本サッカー協会審判委員会委員長の松崎康弘氏は著書『サッカーを100倍楽しむための審判入門』で、アンリのハンドから生まれたゴールについて「審判団は2つのミスを犯した」(本書より抜粋)と指摘している。

 延長前半13分、ガラスがFKを蹴った瞬間、スキラッチはオフサイドポジションにいた。ボールには触れていないが、相手選手の体をブロックし、オフサイドの反則を犯していたにもかかわらず、副審は旗を上げなかった。

 そして、ゴール前でワンバウンドしたボールをアンリは左腕でトラップし、さらに左手でボールをコントロール。完全なハンドの反則だったが、主審は死角で見ることができなかった。

 「アンリ選手にどこまで悪意があったのかは分からない。咄嗟の状況で思わず手が出たのかもしれない。しかし、左腕でトラップしたときはともかく、その後左手でボールをコントロールしたことに、『意図』があったのは間違いない。主審は、ハンドの反則を取る必要があった」(本書より抜粋)

 審判はサッカーに必要不可欠な存在でありながら、その判定をめぐり、時に大きな問題を呼ぶ。なぜ、審判は間違いを犯すのか。なぜ、ミスを犯す可能性のある審判がジャッジをするのか。どうすれば、審判はミスを減らせるのか。サッカーファンは、審判の「誤審」をどう受け止めればいいのか。

 本書『サッカーを100倍楽しむための審判入門』では、審判の役割、基礎知識などとともに、09年のJリーグを中心にさまざまな「審判をめぐる問題」についても解説している。

 ゲキサカでは「知られざる審判の秘密」を明らかにした本書の一部を紹介。審判のことをもっと知ってもらい、サッカー観戦を今以上に楽しいものにしてほしい。

審判を知ればサッカーが100倍楽しくなる!

 誤審が目につくサッカーファンにこそ読んでほしい1冊。審判を批判する前に、ぜひ本書を手に取っていただきたい。

■書名:サッカーを100倍楽しむための審判入門
■著者:松崎康弘(日本サッカー協会理事/日本サッカー協会審判委員会委員長)
■発行日:09年12月21日
■版型・ページ数:四六判・192P
■定価:1300円(税別)
■ISBN:978-4-06-215693-6
■発行元:株式会社 講談社
■購入:コチラから
■構成:
第1章 審判をめぐる問題~Jリーグの試合から~
第2章 審判を知る~サッカーを楽しむための近道~
第3章 日本の審判~環境と待遇はどうなっている?~
第4章 審判の1日~準備から試合当日まで~
第5章 ゲームコントロール~試合中の判断~
第6章 審判入門~審判になるために~

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