beacon

『テセ通信-次なる夢に向かって-』(vol.7=1月29日)

このエントリーをはてなブックマークに追加

『テセ通信-次なる夢に向かって-』
(vol.7=1月29日)
川崎Fからドイツ2部のボーフムに移籍した北朝鮮代表FW鄭大世選手のコラム『テセ通信-次なる夢に向かって-』がスタートしました。リーグ戦の奮戦記を中心に、鄭大世選手の“今”をお伝えします。お楽しみください。

●1月25日
エルツゲビルゲ・アウェ戦(ホーム)

 ドイツ2部のボーフムに所属する北朝鮮代表FW鄭大世は24日、エルツゲビルゲ・アウェ戦で1得点1演出と爆発し、チームを2-0勝利に導いた。アジア杯から合流したばかりとあって先発は外れたが、後半22分から途中出場し、同43分にはGKの頭上を射抜く豪快な左足ミドルをゴール左隅へ叩き込んだ。

 今季9点目となるスーパーゴールで勢いに乗った鄭大世は、さらにロスタイム突入後の46分、左サイドのゴールライン付近で相手のクリアを体でブロック。このこぼれ球がFWジョバンニ・フェデリコのゴールとなった。チームは6連勝で6位に浮上している。

以下、鄭大世コメント

―アジア杯で疲労があった中、途中出場でゴールを決めて勝利に導きました。どの点がうまくいったのでしょうか?
 まずゲキサカ読者の皆さま、遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。コラムでいい報告ができるように頑張ります。

 先日の試合ですが、カタールからチームに帰って3日という時間があったにも関わらず、監督は一度として戦術練習をしなかったので、僕をスタメンで使う気がないのだと気づくのは、そう難しい事ではありませんでした。試合直前のミーティングでスタメンかどうかわかるんですけど、予想通りスタメンの名前に僕の名前はありませんでした。前期にあれだけチームを救う結果を出したにも関わらず、こんな扱いになるのは前期の行いを振り返るいいきっかけになりました。アジアカップでノーゴールだったのが大きく起因したのかもしれません。

 その間、1トップで先発した選手が下部組織育ちで前節も決勝ゴールを決めていたのでなおさらでしょう。試合が始まると相手はディフェンシブなチームということもあり終止主導権を握った展開で、いつゴールが決まってもおかしくありませんでした。その1トップの選手も素晴らしいパフォーマンスで、若くしてチームの最前線で体を張っている姿をみて、スタメンに復帰するのに時間がかかりそうだなというのが正直な感想でした。

 でも後半に入っても幾度と訪れるチャンスを決めきれない攻撃陣にしびれを切らしたのか、監督が僕とジョバンニという選手を同時に投入しました。オフを挟んだので久しぶりのボーフムでの試合に新鮮さを覚えました。短い時間だったけど何としてもアジアカップでの3試合0得点という屈辱を晴らしたかったので、来るべきチャンスに一点集中してました。そこできたのが88分。カウンター気味でボランチの選手がサイドに開いて高い位置でボールを受けた時に、ペナルティーエリアの少し外で僕がボールを受けたんですが、受ける前からチャンスに集中してたので、シュートまでのイメージはばっちりでした。自分でも驚くほどの素晴らしい軌道でゴールに突き刺さりました。

 その後もDFのクリアボールが僕の背中に当たって味方の大チャンスを創出し、追加点も得て、終わってみれば1得点1アシストの大活躍。月曜日の試合だったのでドイツでも全国放送されて、それなりに1部のチームにも衝撃は与えられたと思います。次の日に会った槙野がケルンの選手達に大世スーパーゴール!! 大世スーパーゴール! って騒いでたって言ってて嬉しかったです☆


―チームは6位まで来ました。久々に合流してどうでしたか?
 僕がいない時にも1勝したのでこれで6連勝です。一時は残留争いを懸念していたチームがこの快進撃は現場の自分でも信じられません。チームの雰囲気はさほど大きな違いはありませんが、1カ月近くチームを離れていたのでみんなと久しぶりに会えてテンションあがりました(笑)。

 でもまたコンビネーションの部分でつめていかなければいけないと思っていたので、このゴールはチームと共に走り始めた証となったと思います☆ チームの順位もこれで6位。昇格圏内の3位のチームと勝ち点差で並んでいるので、どれだけ昇格に近づいたか説明に難くないと思います。


―後半戦の意気込みをお願いします。
 後半戦も再開したのにも関わらず、未だゴール数が9点なので、早く15点取って安心したいところです。香川も残念ながら骨折という信じられない事になりましたが、明日は我が身です。取れるうちにとっておいてチームが勝ち点を1点でも多く取れるようにと願ってます。そして共に1部昇格!! これしかありません!

P・S
 やっぱり、日本は良かったです。短いオフでしたが、とりあえずドイツでは発散する場が無いので、日本ではポップコーンのようなはじけた遊びっぷりでした。楽しかった。でもオフはオフでしっかり体と相談しながら遊んでいたのは言うまでもありません。
 それとドイツで何より恋しかったのは「温泉と焼き肉」。お風呂に関して地元の銭湯にいろいろ行きましたが、なんだかしっくりこないし落ち着かない。結局、川崎でよく行っていた宮前平駅近くの『湯けむりの庄』が一番落ち着きました。「住めば都、浸かれば故郷」という諺があるようにやはり慣れた空間が一番落ち着きますね(諺の後半は僕がねつ造しました。笑)。
 2つ目は焼き肉。もう1月8日に代表へ出発だったんですが、とにかく食べ溜めしとこうと思い2日から6日連続で焼き肉を食べました。もちろん太らないように量ではなく質で楽しみましたが、結局一番おいしかった焼き肉をここで発表したいと思います。
 ジャガじゃがじゃがじゃがじゃーん。名古屋栄の『昇家正々堂』がすべてにおいてダントツトップでした。あの濃厚な生レバーから始まり、大好物の塩ハラミと塩ホルモン。塩は味付けの濃さが難しいと思いますが、絶妙なバランスが僕の舌をトリコロールにしました(笑)。
 締めの名物の昇家プリンは太らないために我慢しましたが、合流したばかりの今すでに、昇家の焼き肉が食べたい衝動にかられています。名古屋に住んでる方は是非一度足を運んでみてください☆ 名古屋以外の方も名古屋に行くときは是非立ち寄ってみてください☆ 昇家店員一同、心からお待ちしております!!


[写真]ゴールを決めて仲間と喜びを分かち合う鄭大世

☆鄭大世ブログアドレス
http://ameblo.jp/jongtaese9/

(構成 近藤安弘)

TOP