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[PSM]主力不在で大宮に逆転負けも杭州・岡田監督「優勝を目指していきたい」

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[2.25 プレシーズンマッチ 大宮2-1杭州緑城 NACK]

 元日本代表監督の岡田武史新監督率いる杭州緑城(中国)は大宮アルディージャに1-2で逆転負け。だが中国代表の守護神、ジャン・ボー(姜波)や中国代表で主将を務めてきたCBドゥ・ウェイ(杜威)、22歳の新鋭ストライカー、バァリ(巴力)、浦和から加入したFWマゾーラといった主力候補たちを欠く中で大宮と対等な試合を演じた。
 
 立ち上がりはリトリートしてゴール前を固め、圧倒的にボールを支配されていたが、13分にカウンターから大きく開いた左サイドを突いて、SBファン・シャオドン(藩暁冬)が左クロス。これを中央のMFワン・ソン(汪嵩)が先制ヘッドを流し込んだ。その後は意識を前へ向けて大宮のU-23日本代表MF東慶悟も「パワフルなチーム。足元も上手かった」と評価するパスワークで対抗。また前線からの厳しい守備で相手のリズムを崩していた。

 2点目を奪うことはできなかったが、MFタン・ジャーシュゥ(唐佳庶)のミドルシュートがポストを叩き、また逆転された後もスペースを突いて再三クロスまで持ち込んだ。岡田監督は「最後のところは外人に頼らないとなかなかゴールまで行かないということが現状。そこは今年1年かけてという訳にはいかない。サポートを早くしてボールを回せればと思う」と課題を口にしていたが、最後まで得点の予感を感じさせていた。
 
 監督就任が発表された昨年末にチームの指導をスタートした岡田監督。2週間後の中国サッカー協会スーパーリーグ(CSL)開幕を前に約3週間に渡って日本で合宿を行ってきた。「個々で戦う意識の強いチームだったのでチームで戦う意識を持ってもらいたかった。どうしても集中力が簡単に切れてしまうところが非常に多く、1点入れられると投げちゃうところもあった。波があるというところで、きょうは切れそうになりながらも良く踏ん張っていた。集中力が切れる時間帯は少なくなってきたし、チームとして戦うという点は大分よくなってきた」と成長と手ごたえを口にしていた。

 日本人監督の海外挑戦。海外で結果を出せば、他の日本人監督たちにとっても道が広がるだけに、その戦いぶり、結果に注目が集まる。杭州は一昨年のCSLこそ、4位に食い込みACLの出場権を獲得したが、昨年は8位と苦しいシーズンを送っている。だが岡田監督は「やるからには特別ウチが落ちているとは思っていないので優勝を目指していきたいと思っている」。日本代表をW杯ベスト16へ導いた指揮官が中国でどのような1年を過ごすのか、期待も大きなシーズンが間もなく始まる。

(取材・文 吉田太郎)
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