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[プレミアリーグEAST]指揮官ゲキから後半全開!東京Vユースが浦和ユースに5発リベンジ

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プレミアリーグEAST
[7.1 高円宮杯プレミアリーグEAST第7節 浦和ユース1-5東京Vユース 埼玉第2G]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プレミアリーグEASTは1日、第7節を行い、5勝1分で首位の東京ヴェルディユース(東京)は浦和レッズユース(埼玉)と対戦。FW高木大輔の2ゴールなど5-1で大勝し、首位を守った。

 後半、タレント軍団のギアが一気に上がった。首位・東京Vは前半7分にMF中島翔哉のスルーパスからゴール前へ飛び込んだ高木がGKと激しく交錯しながらも、こぼれ球にいち早く反応して右足で先制ゴールをねじ込む。だが、2分後の9分、MF岸伯富実に狙い済ましたフィードをDF間へ走りこんだ相手エースFW中村駿介へ通されてしまうと、左中間から中村に鮮やかなコントロールショットを決められてしまう。

 浦和は頭部を負傷したFW関根貴大が前半14分に交代してしまうアクシデント。だが、寄特直人西袋裕太の両CB中心に相手の攻撃を跳ね返すと、逆に27分には右サイドをスピードに乗ったオーバーラップで一気に切り裂いたSB新井純平の折り返しから中村が左足シュートを放つなどチャンスをつくってくる。東京VはSB安西幸輝が個人技で右サイドを打開し、エースの中島が決定的なラストパスを通すなど得点機をつくるものの、試合の主導権を奪うまでには至らなかった。

 ハーフタイム、ロッカールームに戻ってきた東京Vイレブンには厳しい激が待っていた。息を上げている選手もおらず、ほとんど疲れた様子を見せていない選手たちに対して「もっとできると思っていた」という冨樫剛一監督は「楽して勝てることはない。100パーセント出して行こう」という指摘。攻守両面で力を出し惜しみしている感のあったチームは高木が「今年一番、というくらいに喝を入れられました」と振り返る指揮官の熱い言葉で目を覚ました。

 後半は高木が前線からフルスロットルで相手を追い回し、浦和守備陣にプレッシャーをかける。驚異的だった背番号9のチェイシングに呼応するかのように東京Vが加速。そしてボランチ起用に応えてスペースへの好パスと相手を弾き飛ばすような厳しい守備を見せていたMF吉野恭平主将を起点とした攻撃から、エースが勝ち越しゴールを決めた。

 19分、東京Vは吉野が相手CBとSBとの間へ距離の長いスルーパスを通す。これに右サイドを駆け上がった安西が反応すると、その折り返しを得点ランキング首位独走中の中島が右足ダイレクトでゴールへと沈めて2-1とした。さらに25分には敵陣中央でボールを受けたMF楠美圭史がPAへラストパスを通すと、高木が右足でゴールへプッシュ。2点差へ突き放した。

 浦和は強烈な個を発揮していた中村がDFとの1対1を制してシュート、ラストパスへと持ち込んでくる。だが東京Vは38分にFW大野翔平の決定的な一撃をGKポープ・ウィリアムの好守によって阻むと、逆に43分には相手のミスを逃さなかったFW菅嶋弘希がインターセプトから4点目のゴール。さらにロスタイムには中島の右CKをCB宮地元貴がダイビングヘッドでゴールへと突き刺してダメ押した。

 6月24日のadidas CUP 2012日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 関東大会決勝で東京Vは浦和に2-3で敗れ、今季公式戦初黒星。吉野は「この間の試合後、レッズの選手は『来週も余裕だろ』と言っていた。この悔しい気持ちをずっと持っていた」と後半ぶつけた思いの強さを明かした。中盤をマンツーマンで人をぶつけ、東京Vをはめ込もうとした浦和の時間帯もあり、両チームのサッカーに大きな差はなかったが、後半「潰れてもいい」という思いで走りぬいた東京Vがスコアに差をつけた。

 もちろん、タイトルが目標だが、トップチームへ上がるために個が成長することが一番。冨樫監督は「勝つだけでなく、(自分自身で)追い込んだりすることを求めていきたい」。昨年は夏に日本クラブユース選手権を2連覇しながら、プレミアリーグEASTのタイトルは最終節の敗戦で逃した。吉野は「あの悔しさを持っていないヤツはひとりもいない。EASTで優勝してチャンピオンシップも負けないように頑張る」と誓うが、そのためには夏以降のさらなる個の成長が欠かせない。今年は失速せずにタイトルを獲得するために、パフォーマンスを落とさないためにも、東京Vは練習から出し惜しみすることなく取り組んでいく。

[写真]後半ロスタイム、東京Vユースは5点目を決めた宮地(左)がこの日2得点の高木と喜ぶ

(取材・文 吉田太郎)
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