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[プリンスリーグ]横浜FMユース、交代出場組の3発で山梨学院振り切る

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[7.1 高円宮杯プリンスリーグ関東1部 横浜FMユース4-2山梨学院高 保土ヶ谷]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2012 プリンスリーグ関東1部は1日、第8節を行い、6位・横浜F・マリノスユース(神奈川)対8位の山梨学院高(山梨)戦は交代出場のMF田中健太の2ゴールなど4-2で横浜FMが勝利した。

 先制したのは山梨学院だった。前半12分、FW本庄将人のスルーパスで抜け出したMF稲葉亜門が右足で先制ゴールを流し込む。リードを奪った山梨学院は本庄やFW齋藤翔太が相手の逆を突くドリブルでボールを進め、中盤の底では2年生MF毛利駿也がダイナミックな動きで相手ボールに絡むなどJユースに対抗した。

 だが、主導権を握っていたのは出場停止で大黒柱のMF喜田拓也を欠く横浜FMの方だった。ボールを素早く動かし、スペースをつくり出しては長い距離のドリブルを交えて一気にゴールへ迫る。そして前半35分、FW伊東海征とのパス交換で抜け出したFW宇佐見康介が同点ゴール。後半も相手の判断ミスからMF村原大輝が決定的なシュートを放つなど、山梨学院ゴールへ次々とシュートを浴びせていた。

 ただ山梨学院GK山田純平の好守などあり、スコアを1-1で保ったまま試合終盤へ突入。横浜FMは後半18分に田中健、22分にはFW深澤知也を立て続けにピッチへ送り出し、山梨学院も28分に昨年から主力のFW名嘉真朝季とMF松浦帝斗を同時投入する。互いが勝負を決めに行った中、交代選手たちがより効果を発揮したのは横浜FMだった。30分、右サイドから伊東が出したアーリークロスに走りこんだ深澤が、斜め後方からのボールを右足ダイレクトで合わせて勝ち越しに成功する。

 さらに33分には、山梨学院のやや甘い守備を突いて右サイドを突破したSB鈴木浩一郎の折り返しを、田中健が右足でゴールへと流し込んだ。攻守にやや迫力を欠いていた感のあった山梨学院も松浦と名嘉真の2人を中心にゴールへ迫ると35分、左CKから名嘉真が追撃ゴール。1点差とし、さらに直後にも名嘉真が決定機を迎えるなど活気付いた。ただ、41分に左サイドを横浜FMの左SB高野遼にあっさりと破られると、そのラストパスをファーサイドから詰めた田中健に押し込まれて勝負アリ。横浜FMが4-2で勝利した。

 横浜FMは松橋力蔵監督が「波が大きいです」と指摘するようにまだまだ試合の入り方、安定感の面など課題は多いが、指揮官も認めていたように勢いづくと止まらない試合をする。09年に全日本ユース選手権で優勝した当時と比べると、まだ自分を主張するような選手も少ないようだが、それでも日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会 関東大会では2次予選でプレミアリーグEASTの三菱養和SCユース、横浜FCユース、FCトリプレッタといった難敵揃いのグループを首位で通過し、順位決定戦でもFC東京U-18にPK戦の末に勝利するなど、少しずつだが自信をつかんできている。このプリンスリーグ関東1部の目標ももちろん優勝。着実に勝利を重ねながらより個人、チームとして成長することできるか。

 一方、昨年から現清水のFW白崎凌兵や日本高校選抜GK山田修平(現青山学院大)らが抜け、メンバーが大きく入れ替わった山梨学院。全国総体出場を逃した直後で再スタートを切ったチームについて吉永一明監督は「(負けた悔しさなどをもっているはずだが)まだ煮え切らない」と個々の覇気や一体感の向上を期待する。この日も時間帯によっては十分Jユースと対抗するポテンシャルを見せていただけに、甘さを排除したいところ。日本一奪還を目指す高校選手権へ向けて、よりがむしゃらに戦うことのできるチームになれるかがひとつのポイントになりそうだ。

[写真]後半33分、決勝ゴールを決めた横浜FMの田中健(左)と深澤ががっちり握手

(取材・文 吉田太郎)
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