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清水ユース躍進支える1年生MF宮本、U-17W杯アジア最終予選へ「選ばれなかった人のことを考えてプレーする」

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[9.2 プレミアリーグEAST第11節 流通経済大柏高0-0清水ユース 流通経済大柏高G]

 清水エスパルスユースは、3日に発表される予定のAFC U-16選手権イラン2012(13年U-17W杯アジア最終予選)U-16日本代表入りが決定的になっているDF水谷拓磨、MF宮本航汰、FW北川航也の1年生トリオが先発。対人で抜群の強さを発揮する水谷が流通経済大柏高の武器であるサイド攻撃を封鎖すると、昨年のU-15世代全国大会得点王2冠の北川はその攻撃力で相手の脅威となっていた。そしてトップ下の位置でプレーした宮本は正確な技術で攻撃の起点に。指揮を執る元日本代表MF大榎克己監督も主力と認める1年生たちが、アウェーでの勝ち点獲得に大きく貢献していた。

 本来、大黒柱であるMF石毛秀樹(3年)がトップチームの戦力となったためにユースチームにほとんど合流できず。清水は開幕3連敗と最悪のスタートを切ったが、それでも1年生トリオの活躍やエースFW加賀美翔が得点力を爆発させたこともあり、8戦連続無敗と好調を維持している。

 ただし優勝を目指すチームはこの日勝利を逃したことを残念がっていた。流経大柏から加賀美とのホットラインを警戒されていた宮本は「まだまだです。自分が石毛くんの代わりにまだ成れていないというのがある。プレミアで活躍して石毛くんを超えたいです」。宮本は前半23分に左中間から仕掛けてゴール右上隅を捉える鮮やかな右足シュートを放つも、GK坂田大樹の好守に防がれるなど1点をもたらすことができなかった。「(シュートは)入った、と思ったんですけど。スピードがチョット遅かったのと、GKが上手かったです。ボールに関わる回数が少なかったのでもっと関わっていかないといけない」と反省していた。

 チームでは司令塔役として存在感を放つ宮本だが、U-16日本代表ではCB、SBとしてプレーする。8月26日から29日まで開催されたAFC U-16選手権国内最終合宿でも、パス能力の高さを随所で披露するなど存在感を放っていた。U-16日本代表は今後、9月10日からアルメニアで直前合宿を行い、13年U-17W杯への出場権を懸けたアジア最終予選に臨む。「代表ではCBとSBで攻撃の要になってほしいと言われている。ディフェンスラインから攻撃に関わっていきたい。(96年生まれ以降の世代で)自分たち23人しか日本代表として戦うことができない。23人に選ばれなかった人のことを考えてプレーして、全力で勝利に貢献したい」と宮本。全国リーグで経験を積んできた清水の1年生トリオがアジア突破の原動力となる。

(取材・文 吉田太郎)

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