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[プレミアリーグEAST]未勝利終戦も、旭川実は全国リーグの経験を選手権につなげる

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[12.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 浦和ユース3-0旭川実高 埼玉第2G]
 
 12月30日開幕の全国高校選手権に出場する旭川実高(北海道)は後半30分過ぎまで浦和レッズユースを無得点に封じたが、運動量の落ちた終盤の3失点により0-3で敗戦。1分17敗で初の全国リーグ挑戦を終えた。主将のMF奈良創平(3年)は「何回も取るチャンスはあった。取るチャンスを活かせなくて、結果、最後も取れなかった。先輩に申し訳ない」と悔しさを滲ませていた。

 勝つチャンスはあった。序盤こそ相手のパスワークに押し込まれたが、落ち着いて自分たちのリズムに持ち込むと、選手間の絶妙な距離感で相手を懐へ潜り込ませず、また徹底したハードワークでプレッシャーを掛け続けた。守備陣は強豪と戦う中、シーズンを通して成長した姿を披露。遠藤元一石井源(ともに3年)の両CB中心に相手の背後への攻撃にも対応し、GK永井建次(3年)の安定感も光っていた。

 そして攻撃面ではエースFW山本真司(3年)を膝の負傷で欠きながら、FW寺林研人(3年)とFW橋本恵太(2年)の2トップにMF田中伸明(3年)が積極的に絡んで再三クロスまで持ち込み、決定機もつくった。ただ課題となっている運動量の落ちた終盤の踏ん張りが利かず、敗戦。初勝利を挙げることはできなかった。

 プリンスリーグ北海道を制して臨んだ昨年のプレミアリーグ入れ替え戦で、東北王者の聖和学園高と東海王者のジュビロ磐田U-18に連勝して全国リーグ参入を決めた。チームにとってはもちろん、北海道の全ての高校チームにも勇気を与える勝利。ただ全国リーグの戦いは甘くなかった。雪の影響で春の調整は遅れ、現在も地元でのトレーニングはビニールハウス内の小さなスペースでのトレーニングなどに限られてしまう。雪の影響を受けなかった夏には状態を上げたが、結果に結びつけることができなかった。

 富居徹雄監督は「(環境を逆手にとって)先に進むしかない。夏はある程度できましたけれど、そこを変えるために何かをしなければいけない。(この1年を)次につなげていかないといけない」。厳しい戦いが続いたが、この日も可能性を感じさせる戦いは見せていた。選手層では道内のライバルたちにも劣る中で、2年連続夏冬北海道制覇。道内では結果を残しているだけに、全国で結果を残すことが次のステップとなる。
 
 プレミアリーグでは未勝利に終わったが、選手たちは全国の強豪と戦い抜いた経験を高校選手権で活かすつもりだ。初戦からプリンスリーグ九州王者の大津(熊本)と対戦する厳しい組み合わせだが、奈良は「自分たちはベスト4を目指している。まずは一戦一戦大事に。大津はプレミアと変わらないくらいレベルは高いけれど、1年間やってきたことを活かしたい。(プレミアリーグの)借りを返したい」と誓った。

(取材・文 吉田太郎)

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