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[Y☆voice251]静岡学園MF須藤駿介「『潰さないとヤバイ』という危険な匂いがするような選手に」

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 高校年代の注目選手にその時どきの課題や目標について聞く連載企画「Youth star voice」。第251回目は静岡学園高(静岡)のU-17日本代表候補MF須藤駿介選手(3年)です。

 全国的にはまだ無名だが、技術レベルが非常に高く、今年、名門・静岡学園の浮沈のカギを握る注目ボランチだ。厳しい守備でチームに貢献しつつ、攻撃ではドリブルで中盤に穴を開け、決定的なラストパスを配球する。U-17代表候補にも選出されたMFの今年の目標とは?(取材日:4月21日など)

―怪我で出遅れたが、東京Vユース戦(4月21日、1-0で勝利)で復帰していきなり勝利に貢献した
「1月の終わりに怪我してずっとリハビリ生活が続いていて、サッカーをやりたいという気持ちが一番強かった。復帰したのも実際に(プレミアリーグEAST、東京Vユース戦の)2、3日前で。試合勘とかも全く無い中で出させてもらって、嬉しかった。何としてもチームに貢献したいなと、前日の夜から気持ちのつくりとか一生懸命、コンディションも上げてきたつもりです。でも怪我を言い訳にしたくはないんですけど、全然できていなくて悔しい」

―それでもいいパスを何本も出していた
「あれはたまたまのところがあった。結構ズレていましたし、細かいプレーでもズレているところがありましたし、満足いっていないところが多いです」

―苦しい時間帯に入ってからボールも落ち着かせていたと思うが
「出たときには何もしないのではなく、何としても貢献したいと思っていた。パスを一生懸命出そうということを意識してやりました」

―自分自身の良さとは
「もっと運動量を出して、ピッチを動き回って、なるべく前線に顔を出してFWに点を取らせてあげるプレーだと思っていますし、今年は3年生になって自分も点を取りにいきたいなと思っている」

―ジャンプ力や球際を見ていると身体能力も自信を持っているのでは
「自分ではあまり感じていないですけど、守備の方が多分得意です。ただ(守備はフィジカル面よりも)読みの方が大きいです」

―須藤クンがいることで静学の攻撃もより分厚くなる
「試合に出させてもらえば攻撃の部分でFWにもっと楽をさせて、点を取らせてあげるようなパスであったり、動きだったり、ドリブルというのも増やしていって、もっと静学らしく勝てるようなチーム作りを一生懸命みんなでできるようにしたいと思います」

―今年の静学は昨年以上にボールを支配するし、テクニカルなサッカーをする印象だが
「去年は一人ひとりが上手いし、強いし、速いし、身体能力が高かった。今年は去年に比べたら身体能力が劣っているし、身長も低い。だから味方同士の距離感とパスワークというのを重視しながら、それで最終的にゴール前でたくさんアイディアを出すチームだと思っている。まだできていない部分があると思うんですけど、静学は最終的にショートパスとドリブルを活かしてゴールにつなぐ練習をしている。今年は足下というのは意識してやっている」

―インターハイの静岡県予選決勝では確実にファーストディフェンス打開していた
「CBの來(長島)がレッドカードで退場したときは本当に焦ったんですけど、みんながその穴を埋めて戦っていたので、10人対11人で戦っていたというよりは11人対11人で戦っているという感覚で戦えていた。一人少ないからどうとかいう焦りはなくて、冷静に戦えていた」

―後半途中からはチームとしても静学らしさが出てきた
「どんどん攻めていこうという話をしていた。そういう攻撃をすることで藤枝東の攻撃を封じ込めて、攻撃は最大の防御という訳ではないですけど、藤枝東の足が止まったのでそこはチャンスかなと。本当は3年生が点を取らないといけないところを1年と2年が点取ってくれたことは、3年生としては不甲斐ないんですけど、感謝して、4連覇というのは本当にでかいですし、全国で勝負してきたいなと思っています」

―全国でも注目選手のひとりとなる
「自分自身もコンディションが多少戻ってきたんですけど、全然戻ってきていない部分が多い。きょう優勝したから満足するとかではなくて、優勝したのは過去の話。次へ進むしかないので、一日一日の練習を大事にして、自主練も大事にして、チームとしても、個人としてもレベルアップしないと全国総体は暑いですし、戦えきれないので、ひとつの練習から声をかけながら練習して行きたいです」

―将来的には
「できるだけ高いレベルで将来的にはやりたいと思っている。練習の一つひとつを大事にして選手権と総体は優勝を目指して頑張ります。(個人的には)みんなのゴールにできるだけ多く絡めるように。そして守備では絶対に抜かれない。それを目指してきたい」

―自分自身の名前ももっと売っていきたいのでは
「売りたいです。もっと有名になりたいです!」

―そのためには
「練習。練習あるのみだと思っています。練習を頑張って行きたい」

―代表入りも期待される
「入れたら一生懸命やりたいです。エスパルスの選手とかジュビロの梅村とか入っているけれど、足下では負けたくない。一個上の代表で呼ばれて、一個下の代表でも呼ばれるレベルに達しないといけないと思っていますし、今までの先輩たちはそういうのもやってきたと思う。全国総体でもそうですけど、1試合で目に止まるような選手になっていかないといけない。相手からも自分のところで『潰さないとヤバイ』という危険な匂いがするような選手になりたいと思います」

(取材・文 吉田太郎)
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連載:「Youth star voice」

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