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[MOM838]大阪桐蔭FW田中拓也(3年)_得点ランク首位のストライカーが同点劇を牽引

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.22 高円宮杯プリンスリーグ関西1部第17節 大阪桐蔭高3-3洛北高 橋本]

「FW木下隼、MF網島駿も力があるので、どこからでも獲れる。攻撃は十分、出来ている」。主将のDF瀧田裕馬が自信を見せる今年の大阪桐蔭に攻撃陣の中でも、「頼れる得点源」と期待を寄せる存在が、FW田中拓也だ。

「一番は点を獲ること」と本人も自信を見せるように、持ち味は抜群の得点力。今年、大阪桐蔭がテーマに掲げる「俊敏さ」を体現する相手DFの背後への飛び出しと、どんな状況でも前を向く力強さでゴールを量産し、ここまで18得点を獲得。プリンスリーグ関西1部の得点ランキングトップに立っている。

 この日も存在感を発揮し、前半23分には絶妙な飛び出しから相手ゴール前に抜け出し、シュートチャンスを迎えたが、「自分で行こうと思ったけど、木下がいい形で入ってきてくれた」とパスを選択し、先制点をお膳立て。後半26分にも左サイドへのスルーパスで2点目の基点となった。

 攻撃の軸として活躍したが、「自分の持ち味が出せなかった。もっと中盤に貢献して、ゴールを奪いに行きたかった」、「まだまだゴールへの意識が低いと思う。もっともっと行かないといけない」と反省ばかりを口にしたように、ノーゴールに終わったこの日の出来には満足していない。終了間際にオフサイド判定でかき消された幻のゴールにも、「日ごろの行いが悪かったのかな。もっともっと努力していかないと。ああいうのも味方につけるだけの頑張りを見せないといけない」と唇を噛んだ。

 幼少期は大阪で過ごしたものの、両親の転勤に伴い福岡へと引越し。中学時代はアビスパ福岡U-15でプレーしたが、高校サッカーへの想いが強かった。加えて、「親に甘えていたので、自立したいなと寮のある高校を選んだ」と生まれ故郷である大阪の地に戻ってきた。「寮に入ってからは洗濯とか掃除とか自分でするようになった。大変だけど、来て良かったなと思える」と浮かべた笑みから、逞しさが感じられる。

 これまで厚い選手層に苦しみ、出番を得ることが出来なかったが、3年生になった今年に入り、「これまでは先輩がいたから、引っ張ってもらっていただけだったけど、最終学年になって試合に出られるようになって、自覚が出て、引っ張っていこうと思えるようになった」と精神面で急成長。永野監督も「自分で仕掛けて点を獲る意欲が高い」と評価する。

「優勝を一番に考えてきた。優勝するために自分が何が出来るかを常に考えて、全力でプレーしてきた」というプリンスリーグ優勝まであと一歩に迫ったと同時に、もうすぐ高校選手権予選も始まる。「これまで、あと一歩で負けてきた。僕たちも悔しい思いをしてきたし、今年こそは全国の舞台に立ちたい」。憧れの舞台に立つためには彼の活躍は欠かせない。

(取材・文 森田将義)
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