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[MOM905]大宮ユースMF大山啓輔(3年)_トップチーム昇格内定の10番「チームを助ける」働きと鮮烈2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.30 プリンスリーグ関東1部第17節 大宮ユース4-2F東京U-18 駒場]

「上手い選手はいくらでもいると思う。その中でも試合の中で違いをつくるとか、上手いだけじゃなくて、チームのために走れるとか、犠牲になれるとかそういう選手が生き残っていくと思う。自分は上手いだけでなくて、チームを助けられる選手になれたらいいと思っている」。大宮アルディージャユースのエースで来季トップチームへの昇格が内定しているMF大山啓輔(3年)が、チームを救う活躍で白星をもたらした。
 
 前半1分、「最初の方は相手のDFもバタバタするからこぼれ球を狙っていこうと思っていたら、本当にいいこぼれ球が来たので思い切り押し込んだ」と電光石火の一撃で先制点を決めると、前半36分には右サイドでのスルーパスで2点目の起点となった。「上手い」というプレーでもピッチ上の22人の中で最も印象的だったが、セカンドボールへの読みの反応の速さや献身的な守備でも10番はチームを助けていた。

 そしてハイライトは後半33分だ。左サイドからのパスをゴール正面左寄りの位置で受けると、鮮やかな右足コントロールショットをゴール右上隅へ沈めた。プロへ進む男が見せた違いを示す一撃。「練習通りだったと思います。最近、チームが得点力不足かなと感じていて、自分で獲るしかないと思っていた。プリンス(リーグ)が中断に入ってからシュート練習を全体練習の後にやっていて、あの形がそのまま出ました。ファーサイドを狙うシュート。自分の中では感覚つかめていた」。アンカーとして正確にボールを捌くこと、よりゴールに近いトップ下として先発した際は得点を奪うこと。両方ができる選手が理想という大山がここ数週間、特に意識を高めていたゴールで納得の白星を手にした。

 大宮ユースの西脇徹也監督は「彼はプロ契約が決まってから、シュートの意識やゴールの意識が出てきた。自主練通りのゴールです。(一方でややゴールへの意識が高くなりすぎて)中盤で雑になってきていた。だからもう少しエリアでバランスを考えてやれという話をしました。中盤のエリアに入ってきたらもっと冷静に周りをみるとか、周囲との関係性とか。ただ、1回言ったらすぐにできるようになったので察知のセンスは高いですね」と練習の成果で決めたゴールと、現状を理解し、軌道修正する力の高さを讃えていた。

 大山自身、2ゴールの大活躍にも満足はしていなかった。「自分はあまり足とかが速くない。身体的な特長がないので、タイミングとかタッチとかで相手を崩していくとうのがこれから必要になってくる。(この日は結果を出したが)トップに入ったらこのレベルじゃないと思いますし、ユース年代でできなければトップでもできないと思っているので、ユース年代でできることを全てやっておくんだと思っている」。大宮のジュニアチーム1期生。以降、ジュニアユース、ユースと大宮で育ってきたMFは、来年のトップチーム始動までにより成長し、自信をつける。

(取材・文 吉田太郎)
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