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「関西NIKE FC」の6選手が「NIKE CHANCE」予備セレクション通過!!世界への第一歩を踏み出す

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 ナイキジャパンが育成年代に向けて行っている特別強化プログラム「NIKE FC」は15日、大阪府堺市のJ-GREEN堺でトレーニングプログラムを行った。NIKEが開催する世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE CHANCE」の“予備セレクション”も兼ねたトレーニング。計6選手がセレクションを通過し、来年1月25日に行われるジャパンセレクション関西ラウンドに2次セレクションから参加することになった。

 セレクションを通過したのは、日本代表MF山口螢が自分の目でチェックし、“スカウト”したMF大村英梨也(久御山高2年)のほか、「NIKE FC」のコーチングスタッフが選考したMF岩井健人(滝川二高3年)、MF上松幹(久御山高3年)、GK徳将馬(東大阪大柏原高2年)、GK橋本隼吾(滝川高2年)、MF古藤丞(茨木高2年)、の計6人。

 岩井には、身近で「NIKE CHANCE」から世界への道を切り開いた存在がいる。滝川二高の先輩にあたるFW木下稜介は前回のグローバルファイナルをアジア人で唯一突破。現在はスペインのサバデルBでトップチーム昇格を目指して戦っている。

 岩井は木下について「すごく自分にストイックな人で、いつも朝練にも一番早く来て、放課後の練習が終わっても一番最後まで残っていた」と振り返る。卒業後も滝川二高のグラウンドに姿を見せることがあったようで、「練習が終わると、いつも『一緒に走ろう』と誘われた。あの人ほど自分に厳しい人は見たことがない」。先輩のあとに続き、世界への挑戦権を勝ち取りたい。「チャンスがあるなら狙っていきたい。木下さんを目指したい」と力を込めた。

 木下が選考を突破した昨年のジャパンファイナルには久御山高からも3人が参加していた。残念ながらグルーバルファイナルへの出場権を獲得することはできなかったが、彼らの後輩にあたる上松は、そのリベンジにも燃えている。「自分も木下選手みたいに(ジャパンファイナル、グローバルファイナルを突破して)世界のクラブを回るグローバルツアーに参加したい。すぐにでも世界に行きたいという野心を持っている」と力説。「キープ力は自分でもあると思うし、技術やパス、仕掛けの部分を見てもらいたい」と、アピールを誓った。

 徳は実兄に続く「NIKE CHANCE」への挑戦だ。3年前、ジャパンファイナルに出場する50人にまで残っていたという兄は直前のケガで参加を辞退。今回の予備セレクションに臨むにあたり、兄から「がんばってこい」と激励されたという徳は「今のままでは通用しないと思うし、自分がやれることを一生懸命やって、全力を出せるように準備したい」と、兄の分までジャパンセレクションで自分の力を出し切るつもりだ。

 この日のセレクションには徳と橋本のGK2人が参加し、そろってジャパンセレクションへの切符を獲得した。橋本は「今日の練習では全然いいプレーができなかったし、アピールできなかった」と悔やむが、コーチ陣の評価は高かった。11月24日に行われた「関西NIKE FC」初の対外試合ではPKを止めるなど活躍。「NIKE FC」での継続的な高いパフォーマンスが認められたとも言え、「チャンスをもらえたので、次は今日以上のプレーを見せたい。1回1回の練習に集中して、体のケアに気を付けて、万全のコンディションで臨みたい」と意気込んでいた。

 茨木高からは5人が参加し、唯一、セレクションを突破したのが古藤だった。「うれしかったけど、他の選ばれた人と比べたら自分はまだまだ。今回は選んでもらったけど、もっと上のレベルを目指さないといけない」と、合格にも気を引き締める。「ドリブルとかはうまくないし、目立たないほう」と話す古藤。小柄ながらも、オフザボールの動きの質の高さや豊富な運動量が評価され、「苦手だった」セレクションを勝ち抜いた。「難しいことは考えず、自分のプレーを見せたい」。自分らしく、次の舞台でもチャレンジするつもりだ。

 ジャパンセレクションは来年1月25日に関西、同2月1日に関東で開催され、各勝者の計2人が“日本代表”として、来年3月にイングランド代表の本拠地セント・ジョージズ・パークで開催されるグローバルセレクションに出場する。これを通過した16人がマンチェスター・Uやユベントスなどビッグクラブへのスカウティングツアー(2014年7月~)に参加することができる。世界でプロになる夢を実現させる「NIKE CHANCE」。その第一関門を突破した選手たちは次なる挑戦に向け、決意を新たにしていた。

★「NIKE CHANCE」の詳細はこちらから

(取材・文 西山紘平)

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