[3.29 ミズノカップU-18IN香川予選リーグ第3戦 日本航空高2-4野洲高 瀬戸大橋記念公園球技場2]

　ミズノカップU-18 IN 香川(うどん県)2014は大会2日目の29日、予選リーグを行い、日本航空高(山梨)と野洲高(滋賀)との一戦はFW田畑翔伍(新3年)のハットトリックの活躍などによって野洲が4-2で勝った。野洲は3戦目で今大会初勝利。Dパート2位で大会を終えた。

　ポゼッション対ポゼッション。日本航空がダイレクトのパスから質の高い3人目の動きを組み合わせて攻め、俊足FW宮内海人(新2年)やFW中村政道(新3年)が相手の背後を取れば、MF石井宗人とMF山元壮太郎の新1年生コンビも先発した野洲はMF林雄飛(新2年)の抜群のキープ力やMF村上魁(新2年)のドリブル突破などで局面を打開していく。

　前半7分に日本航空MF阿尾拓哉(新3年)がクロスバー直撃の右足FK。だが直後の9分、野洲が先制する。ショートパスをつなぎ、FW小泉竜輝(新3年)のシュートのこぼれ球を田畑が左足でゴールへ沈めた。さらに18分には林のスルーパスで抜け出した田畑がGKとの1対1を制して2-0。ただ、一息ついてしまった野洲に日本航空が追いつく。

　まずは26分、スルーパスに宮内が反応。これは野洲CB平石健祐(新3年)の好守にあって決めきれなかったが、左サイドで粘ってラストパスを入れると、中央でフリーの中村が合わせて1点差とした。直後の29分にも左SB井之川和輝(新3年)の左CKをニアサイドのMF山本拓海(新3年)が豪快に右足で叩き込んで2-2。試合を振り出しに戻した。

　ただし野洲は後半、林の右足ミドルなどでゴールを狙うと、9分には田畑がこの日3点目となるゴール。この後互いに攻めながら、なかなか次の1点が生まれなかったが、平石が「この試合は全体的に運動量多くて、普段少ない選手も頑張ってくれた。勝利に飢えていたと思いますね」と振り返る野洲が勝利への執念を見せる。試合終了間際、交代出場のFW松本天人(新3年)がダメ押しゴールを決めて野洲が勝負の行方を決定づけた。

　野洲は昨年、全国高校総体が1回戦敗退。高校選手権は滋賀県予選決勝で敗れた。昨年もレギュラーを務めていた平石は「(結果を残すことができず)恥ずかしかったです。自分も前の方で出させてもらっていたのに、何も結果出せなかったし、チームとしても全然」と悔しがる。ただ今年は例年以上に多彩な持ち味を持つ選手がおり、内容の面では全国を沸かせたMF望月嶺臣(名古屋)を擁した2年前ほどの衝撃はないが、彼らとはまた違う面白さがある。

　野洲の山本佳司監督は「あの時は(望月たちの世代)もっと繊細さがあったし、タイプ的に違うけれど、この子たちは前に行く力がある。これからもっと良くなっていく」と期待。田畑は「もっと気持ちの面で落ち着いて入ることができればもっている力は(他のチームよりも)上だと思うので、証明したいと思います」と意気込み、平石は「去年の借りとかがいっぱいあるんで、見返せるように、全国の人に認めてもらえるような1年にしたい」と誓った。

(取材・文　吉田太郎)

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