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[プリンスリーグ関東]首位でプレミアへ!!大宮ユースが桐光学園との上位対決制す!

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[7.12 高円宮杯プリンスリーグ関東第8節 大宮ユース 2-1 桐光学園高 東洋大学朝霞キャンパスG]

  高円宮杯U-18サッカーリーグ2014プリンスリーグ関東は12日、第8節を行い、首位・FC東京U-18(東京)と勝ち点1差で2位の大宮アルディージャユース(埼玉)と3位・桐光学園高(神奈川)が激突。大宮が2-1で上位対決を制した。

 序盤勢いがあったのは、長期離脱から復活を遂げていた大型FW小川航基(2年)によって前線でポイントのできている桐光学園の方だった。怪我や出場停止で数人を欠いていたが、積極的に前からプレッシャーをかける桐光学園は4分に左スローインからMF曽木友樹(2年)が右足シュートを放ち、14分には敵陣でインターセプトしたMF有馬侑希(3年)のパスから小川が右足を振りぬく。15分にもPAでボールをおさめた有馬とスイッチした曽木が縦へ切れ込んだ。

 対する大宮はU-16日本代表候補MF黒川淳史(2年)とMF小島幹敏、DF笹野晃史(ともに3年)を負傷で欠き、同じく怪我を抱えるU-16日本代表MF松崎快(2年)もベンチスタート。こちらも主力数人を欠くなかでの試合だったが、ポゼッションをベースにしながらもそれに固執することなく、長めのボールを交えて敵陣で攻める時間を増加し、チャンスをつくる。

 徐々に試合をペースを掴んだ大宮は21分、カウンターから右SB清水玲央(3年)のパスを受けたFW川田拳登(2年)が縦に運んでスルーパス。PAへ飛び込んだ1年生MF小柏剛がPKを獲得する。だがCB高山和真(3年)の左足シュートは左へ跳んだ桐光学園GK白坂楓馬主将(3年)にストップされてしまう。

 絶好の先制機を逃した大宮だったものの、24分、中盤での厳しいチェックでインターセプトしたMF小野雅史(3年)のスルーパスで抜け出した川田がGKの股間を射抜くシュートを決めて先制する。相手に隙あれば川田や小柏がドリブルで切れ込み、MF藤沼拓夢(2年)の決定的な右足シュートや小野の左足FKなどで追加点を狙う大宮はさらに39分、左サイドから中央へ切れ込みながら出した小柏のパスを川田がスルー。これを絶妙なタッチで縦へ割って入ったFW里見直樹(3年)が巧みな左足シュートを決めて2-0とした。

 後半立ち上がりもMF菅原朋也(3年)や小野の好守から連続攻撃を見せるなど大宮がPAへ侵入する回数を増やす。16分に小柏のラストパスから左SB植木亮太(2年)が左足シュートを放つなど勝負を決定づける3点目を奪いに行った。開幕からの5試合を4勝1分で首位を走っていた大宮だが、約1か月半の間の中断明けは1分1敗。いずれもリードを奪いながら、高体連のチームのロングボールを中心とした攻撃に耐えきることができずに勝ち点を落としていた。2点差を追いつかれた前橋育英高戦後には「(伊藤彰)監督から一人ひとりが一歩前に出たり、戦う気持ちが足りないと言われた」と里見。ただ、この試合ではその反省を活かす。ベンチから飛んだ「ここで5分頑張って裏へ走ろう!」などの声に呼応して気迫の攻守。主将のGK後藤大輝(3年)は「前は守りに入ってしまったので、今回はもう1点取りに行こうと。気持ちを前に置いていけたのは良かった」と振り返ったように、大宮は気持ちで引くことなく前に出続けた。

 大宮は27分に交代出場の松崎のスルーパスでDFを振り切った藤沼が決定的な形で中央へ折り返すなどチャンスをつくったが、身体を投げ出すようにゴールを守るCB堀内凛太朗(3年)らPAでの奮闘目立つ桐光学園の前に追加点を挙げることができない。逆に桐光学園は右SB池田友樹(3年)の攻撃参加などからチャンスを掴むと29分、MF樋口弘毅(3年)の右CKを小川が頭で決めて1点差とした。シュートチャンスをつくるものの突き放すことのできない大宮に対し、桐光学園は交代出場のMF桑原孝太郎(2年)や小川が角度のない位置からゴールを狙う。それでもGK後藤や高山、浦上仁騎(3年)のCBコンビらが身体を張って跳ね返した大宮は「前回学んで、今回(失点を)ひとつに抑えられたのは成長」と伊藤彰監督は微笑む内容で3試合ぶりとなる白星を勝ち取った。

 大宮の伊藤監督はジュニアユースチームを率いていた昨年のJFAプレミアカップで大宮の育成組織に初めて全国タイトルをもたらし、今季からユースチームの指揮を執る。ジュニアユースでは全国舞台でも相手をポゼッションで圧倒し、そのポジショニングと精度の高いサッカーによってボールを握って主導権を握って攻め続け、全国タイトルを獲得した。今回の試合では勝ち点3を掴むために長めのボールも用いる攻撃を見せたが、後藤が「(伊藤)彰さんは最後の崩しのところを重視している。後ろから見ていても得点シーンを多くつくり出すことができていると思う」と語ったように磨いてきた連動した崩しにチームは手ごたえを感じている。ただ高いレベルの相手ではまだミスが起きて失点につながっているだけに、指揮官は「それでも剥がせる能力が必要」。スピードと質をもっともっと向上させることにこだわっていく。

 課題はまだまだ残っている者の、やや欠けていた気迫、相手の勢いに対して耐えるという部分でこの日はひとつ前進。後藤が「集中してまとまっていけば、全国も獲れる。(プリンスリーグ関東は)首位でプレミアに行くこと」と語る目標へ大きな勝ち点3となった。

[写真]前半24分、川田(11番)のゴールを喜ぶ大宮ユースイレブン

(取材・文 吉田太郎)

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