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「どこが来てもやれる」自信と勢い、快進撃の地元・那覇西が3連勝で準々決勝へ:九州新人戦

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[2.14 九州新人大会予選リーグ第3節 那覇西高 1-0 佐賀北高 東風平]

 第36回九州高校U-17サッカー大会(九州新人大会)は14日に予選リーグ最終節を行い、地元・沖縄第1代表の那覇西高佐賀北高(佐賀1)に1-0で勝ち、予選リーグの成績を3戦全勝とした。第4ブロック1位を決めた那覇西は15日の準々決勝で国見高(長崎2)と戦う。

「予想通りです。最初九州大会は『どこが来てもやれるかな』というのがあったので、あとは自分たちが自信をもって楽しみながらやれるか。それだけでしたね」。会心の3連勝を決めた那覇西のCB崎山一喜主将(2年)は大会前からあったという手ごたえを口にした。新チームは昨年、プリンスリーグ終盤戦を1、2年生で戦い、県外遠征でもコミュニケーション、崩しの部分で「やれる」感触を掴んでいた。前日の時点ですでに予選リーグ突破を決めていた那覇西は怪我人を入れ替えて佐賀北戦に臨んだが、玉城真哉監督が「怖れず、上手なチームではないので、ミスも奪われたら取り返せばいい。泥臭くやることができている。まだ足りないところはいっぱいあると思うんですけど」と説明するチームはまた白星を手にした。

 那覇西、佐賀北ともに幅を使いながらチャンスと見るや攻撃をスピードアップ。その中で23分に那覇西がスコアを動かす。元U-16日本代表候補DF上原勘七(3年)の弟で1年生MFの上原牧人が「狙っていないですけど、感覚ですね。このへんに出していけ、と思って入れたら通った」という右クロスがPAのFW久貝俊喜(2年)へ入る。これをコントロールした久貝が右足一閃。強烈な一撃がゴールへ突き刺さった。

 佐賀北も28分に右SB堀西亮太(1年)が巧みな身のこなしでDF2人を抜き去りラストパス。アディショナルタイムにはカウンターからFW大島圭二(2年)が右サイドを抜け出すなど反撃する。だが那覇西は後半、チャンスを連発。「地元開催とか声もあるけれど、こじんまりとする方が何も残らない」と選手の背中を押す玉城監督の下、果敢な仕掛けを見せる上原やMF津嘉山海(1年)が右サイドを切れ込み、2列目から飛び込むMF金城晴貴(1年)がシュート。また久貝が強さを発揮してPAへ割って入っていくなど、思い切ったプレーで佐賀北ゴールを脅かしていく。一方、身体を張った守りを見せるCB上瀧悠輔主将(2年)やCB中島弘人(2年)中心に追加点を阻止した佐賀北も、交代カードを切りながら反撃したが最後まで得点を奪うことはできなかった。

 那覇西は昨年11月まで主に左SBで起用されていた久貝が今大会、FWとして4得点。またFWだった崎山主将がCBへ、昨年の県下部リーグ得点王の下地優利(2年)を左SBへコンバートするなど選手の可能性を引き出しながら、白星も掴んでいる。「上下関係があまりないし、とりあえず全員で楽しめている」(崎山)というチームは応援含めて非常にムードが良い。決勝点の久貝は「個人的に県勢初のベスト4越えるという、それを目標にしているのでグループリーグ突破できたのは自分としても良かった」と語った。

 新人戦で沖縄の歴史を変え、そして2年前に沖縄県内4冠を達成した先輩を越えることも彼らのターゲットだ。崎山は「今年は2個上を見本にしつつ、記録を全て塗り替えられればいいと思います。チームの目標を最初決めた時、選手権で県勢はベスト8が最高なので、8もいいけれど、どうせなら4にしようぜと言っている」。前回王者の鹿児島実高や昨年の全国総体王者の東福岡高、同準優勝の大津高などに対しても「差はないと思う」(崎山)という那覇西が決勝トーナメントでも、一日でも長く戦って地元の期待に応える。

(取材・文 吉田太郎)

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