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[プリンスリーグ関東]プレミア復帰へ負けられない戦い・・・桐光学園vs三菱養和は1-1ドロー

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[5.10 高円宮杯プリンスリーグ関東第6節 桐光学園高 1-1 三菱養和SCユース かもめパーク]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プリンスリーグ関東は10日、第6節2日目を行い、ともにプレミアリーグ復帰を目指す桐光学園高(神奈川)と三菱養和SCユース(東京)との一戦は1-1で引き分けた。

 U-18日本代表の注目ストライカー、FW小川航基主将をはじめ、右SBイサカ・ゼインや10番MF安田光希(全て3年)ら昨年からの主力残る桐光学園とU-18日本代表候補のMF瀬古樹主将やMF松井輝純(ともに3年)、MF齋藤一、DF杉山耕二(ともに2年)といった昨年の日本クラブユース選手権優勝経験者を擁する三菱養和。プレミアリーグ復帰を掲げて戦う両チームだが、ここまで桐光学園は1勝、三菱養和も2勝と苦しいスタートとなっている。互いに勝機のあったこの試合ではそれぞれ次に繋がる部分もあったものの、勝ち切れずに勝ち点1を分け合った。小川は「こんなもんじゃないと思います。最後一本のところなんですけど。根本的に球際のところで戦えないという選手が数人いるんで全員同じサッカー、戦うという部分ができればもっと上に行けるんじゃないかと思う」と語り、三菱養和・瀬古は「課題としては入りのところや、最後で言ったら全然こっちの方がチャンスあったので、そこで決めきれないと勝てない。これはフロンターレとの試合やマリノスとの試合でもあったことなので克服しないといけない」と課題改善を誓っていた。

 前半はCB安部崇士とCB小林陸(ともに3年)中心に最終ラインでボールを動かし、高い位置取りをする右SBイサカや前線の小川に長いパスをつけて攻める桐光学園がやや主導権を握って攻めて行く。7分には左FKのクリアボールに反応した左SB下杉洋樹(3年)が右足ミドル。19分にも安田がミドルシュートを枠に飛ばすと、前線で存在感放つ小川やMF鳥海芳樹(2年)がチャンスに絡む。30分に右CKからマークを外した小川の右足ボレーはヒットせず、32分に小川のラストパスからMF桑原孝太郎(3年)が放った右足シュートをDFにブロックされた。それでも39分、右サイドから安田が蹴り込んだ左足FKがDFとGKの頭上を越えてそのままゴールイン。幸運な形でホームチームがリードを奪った。

 前半、まずは失点しないことに重きを置きながら試合を進めた三菱養和。アンラッキーな失点こそあったものの、味方を勇気づけるコーチングが特長的なCB清野拓斗(3年)中心に競り合いで奮闘した左DF佐藤大介(3年)らが相手のロングボールを跳ね返して行く。そして攻撃面ではサイドにボールを散らして攻めながらも、シャドーに構える瀬古と松井がバイタルエリアをドリブル突破すると攻撃が一気にスピードアップ。シュートチャンスに繋がった。

 0-1で前半を折り返した三菱養和は後半8分にも桐光学園CB安部の攻撃参加から小川に左足シュートを放たれた。だが、これをDFのブロックで阻止した三菱養和は、完全にボールを握って攻撃を続けて行く。DFの間を強引に突破する松井や右サイドを打開したMF久保井俊喜(2年)もアクセントに攻めた三菱養和に対して桐光学園も何とか踏みとどまっていた。だが、三菱養和はセットプレーで同点に追いつく。17分、瀬古が左サイドからインスイングの右足CK。「GKの前にも人を立たせていたので、なかなか出て来れないかなと。GKの前に入れる様にしていてそのまま入ればいい」と蹴り込まれたボールは混戦を抜けてそのままゴールへ吸い込まれた。

 三菱養和は28分にも敵陣でインターセプトした松井のラストパスからFW平山駿(2年)が右足シュート。逆転を目指して攻勢を強めた。だが、狙いのサイドで2対1をつくる形が上手く表現できていなかった桐光学園も終盤、小川やキレのある動きを見せた1年生MF田中雄大を中心に攻め返す。42分には右サイドでDF2人をぶち抜いた小川がPAまで持ち込んでDFの股間を狙ったシュート。48分にはイサカの右クロスがファーサイドの小川まで達したが、三菱養和の堅い守りの前にシュートまでは持ち込むことができず。試合終了となった。

 桐光学園は3試合連続ドロー。鈴木勝大監督は「ボクの言葉とかトレーニングのところで足らないところもあると思うんですが、高体連なのでメンタル的なところは彼ら自身がその強さを出して欲しいところがあります。ちょっと我慢強く待ちながらやっていくしかない」と語り、6月にスタートする全国高校総体予選へ向けては「2年連続落としていますので、勝ち切るタフさが必要だと思います。跳ね返すだけの技術、戦術、プラス精神力が足りなかったから落としていると思う。(予選まで)1か月ありますので、1からとは言わず、ゼロから見つめ直していきたいと思っています」と引き締めた。

 一方、三菱養和は松井が「リーグは(プレミアから)落ちると言っても、プリンス関東もレベルは高いと思います。その中で自分たちがどう結果を残して行けるか。まずはプレミア昇格。(だから)勝ちたかったですね」と唇を噛んでいたが、連敗を2で止めた。昨年、クラブユース選手権で日本一となったチームは、プレミアリーグで劣勢の展開をなかなか挽回できずに勝ち点を落とし、無念の降格となった。だが、この日は追いついてのドロー。山本信夫監督は「先制するまでは我慢ということだったんですけど、前半ああいう形で我慢しつつ最後に失点してしまった。でも、今年のテーマとしてはリードされても取り返したり、勝ち点を取りに行くというボクらが去年できなかったことなので、半歩前進というところです」と前向きだった。王者として臨むクラブユース選手権の関東予選へ向けて松井は「絶対に(全国大会に)出なければいけないと思いますし、もう1回優勝目指して一歩でも上に行けるように、チームに貢献できるようにしたい」と意気込んだ。

(取材・文 吉田太郎)
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