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[プリンスリーグ東北]仙台ユースが塩釜ユース相手に7発大勝!全国大会に向け順調な仕上がり見せる

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[7.11 高円宮杯プリンスリーグ東北第11節 仙台ユース 7-1 塩釜FCユース 泉パークタウンスポーツガーデンサッカー場]

 11日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プリンスリーグ東北第11節が東北各地で行われ、宮城県仙台市の泉パークタウンスポーツガーデンサッカー場では、3位のベガルタ仙台ユースと10位の塩釜FCユースが対戦した。ともに22日から行われる「第39回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」への出場を決めているチーム同士の対戦。全国大会に向けての仕上がりが注目される試合となった。

 仙台ユースは、U-18日本代表で2種登録選手のMF佐々木匠(3年)が6月よりトップチームで調整しているため欠場。またボランチのMF縄靖也(3年)、CB上田健斗(2年)も欠場。急遽、2種登録選手の右SB小島雅也(3年)をCBで起用し、空いた右SBにはDF平澤健介(2年)を抜擢した。対する塩釜FCユースはほぼベストメンバーであった。

 仙台ユースは開始早々の7分、MF織田遥真(3年)のCKをFW吉田伊吹(3年)がヘディングで折り返し、最後は小島がヘディングでゴールに押し込み先制。トップの静岡キャンプにも参加した万能DFがゴールで存在感を見せた。その後も優位に試合を進めた仙台ユースは28分、左SB相原旭(3年)のクロスをファーサイドで受けたFW本吉佑多(3年)がゴールして2点目。40分にもカウンター攻撃から本吉がゴール。3-0と仙台ユースリードで前半を終えた。

 後半は塩釜FCユースも決定機を作り出すが、仙台ユースGK田中勘太(3年)の冷静なセーブに阻まれ、ゴールを奪えなかった。対する仙台ユースは30℃を超える暑さで疲れの見える選手を交代させ、その交代選手が結果を出した。22分、織田からのロングパスを受けた途中出場のMF佐々木翼(2年)が持ち前のスピードを生かしてDFラインの背後を取ってそのままゴールし4点目を奪う。

 直後の23分、塩釜FCユースは相手の一瞬の隙を突いたカウンター攻撃で、キャプテンのボランチMF近藤秀平(3年)がゴールを決めて一矢報いた。しかし、仙台ユース優位の流れは変わらず、34分には佐々木翼からのパスを受けたMF村越健太(3年)が右サイドから中へ切れ込んでゴール。36分には相原が最終ラインから猛然とゴール前まで駆け上がりゴール。そして、45分にはこれまた途中出場のFW阿部龍之介(2年)が相手DFラインの背後にドリブルで抜け出してゴール。7-1で仙台ユースの大勝となった。

 仙台ユースはリーグ中断前の5月までは失点が多く、一体感を欠いたゲームも目立ち、第8節・尚志高戦では0-4と完敗を喫した。しかし、リーグ再開した6月末以降は3試合でわずか1失点と守備が安定し、攻撃の迫力も増して、全国大会に向けて順調な仕上がりを感じさせた。越後和男監督は「今までは個を鍛えるため、組織については言ってこなかったが、全国大会に向けて先月から組織の話をしながら微調整している。そう簡単にはやられなくなった」と手応えを語った。今節欠場した佐々木匠は来週からU-18日本代表候補トレーニングキャンプと、「第19回国際ユースサッカーin新潟」に出場するU-17日本代表に招集され、全国大会前日の合流となる。「匠は2年間一緒にやっているし、彼のクオリティは高いので、一生懸命やってくれれば(直前合流も)全然問題ない。匠がいると頼ってしまう部分もあったので、他の選手たちにとっては今はちょうどいい状況」。佐々木匠のコンディション次第では先発出場は難しい状況も想定されるだけに、彼がいない公式戦での7得点大勝は自信になったところだろう。「グループステージは3連勝で1位抜けしなければならない」と強気の越後監督。今年は「日本一」という目標を掲げ、東北の地から初の全国大会優勝を狙う。

 一方の塩釜FCユースは3年ぶりのプリンスリーグ東北で苦戦を強いられており、まだ未勝利。この日も大量失点はしたが、孤軍奮闘したのはGK高橋若葉(3年)。昨年、東北高から移籍して正GKとなった高橋はシュートの雨を懸命に跳ね返し続けた。「コーチングで全体をまとめて、自分のフィードでチャンスを作って、ピンチを防いでチームを良くしていきたい」。全国大会でも守勢に回る時間が長くなる展開も予想されるだけに守護神の奮闘に期待がかかる。そして、この日唯一の得点を挙げた近藤はチームの攻守の要。暑さと失点で気持ちが切れそうな選手を必死に鼓舞し続けた。「まだまだできることはある。頑張ろうという声だけじゃなくて、他の人を動かせるように声の質も上げていきたい。相手より自信を持ってできるところをどんどん出して、昨年のように良いところまでいきたい」と昨年秋のJユースカップで三菱養和SCユース、アルビレックス新潟U-18に勝利した再来を狙う。

 いずれも東北代表としてクラブユース選手権に出場する仙台ユースと塩釜FCユース。点差こそ開いたが、それぞれ全国大会に向けて着々と準備を進めている。両チームの躍進に期待したい。
  
[写真]仙台ユースの本吉(左)は2得点を挙げた

(取材・文 小林健志)
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