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[プレミアリーグEAST]市立船橋は首位浮上のチャンス逸すも、収穫ある敗戦

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[7.12 高円宮杯プレミアリーグEAST第9節 鹿島ユース 2-1 市立船橋高 カシマ]

 首位・鹿島ユースと勝ち点1差で迎えた首位攻防戦。1-2で落とした市立船橋高の選手たちは試合後、落胆した表情でウォーミングアップスペースに座り込み、悔しさを滲ませていた。セットプレーから先制点を献上し、反撃のチャンスをつくっている中で2点目の失点。後半ラストプレーでU-18日本代表FW永藤歩の突破から交代出場のMF工藤友暉が左足でゴールへ流し込んで1点を返したものの、反撃が遅すぎた。

 与えてはならない、相手のストロングポイントであるセットプレーから失点。2点目を許したことで相手がしっかりと守備をセットした中で反撃をする展開となってしまった。Jクラブも注目するMF椎橋慧也主将(3年)は「後半は自分らで(攻撃を)つくって変化つけていこうと思っていた。でも相手のプレッシャーが速くて、自分もキャプテンとしてみんなを落ち着かせることをやりたかったけれど、自分らのやりたいことをやろうという共通理解とかが全然できていなくて、自分からも発信できていなかった。それが負けに繋がったと思う」と唇を噛んだ。そして「(個人的には、プロのレベルで戦うためには)守備力とかボール奪取能力、予測して相手の攻撃の芽を潰したり、相手のボールを自分たちのボールにして攻撃を組み立てるというところが上のレベルに上がるとまだまだだと思う」と課題を口にしていた。

 それでも左SB古屋誠志郎と右SB真瀬拓海の攻撃力を活かしつつ、コントロールからパス出しまでが速いMF原輝綺や椎橋が細かいパスワークで相手の背後を取ることもできていた。そして右MFとして先発した永藤の突破から1点を返したこと、また交代出場した選手たちがレベルを下げることなく、厚みのある攻撃をしていたことについては今後へ向けて前向きなポイント。朝岡隆蔵監督も「収穫はあったし、すべてを否定するようなゲームではなかった。アントラーズ相手でも(同じ)サッカーの土俵の中でできる。もう少しサッカー全体の流れを彼らが理解し始めたらもっとできる。(だがきょうは)もう少し早くウチらしいサッカーをしても良かった。(相手のサッカーに合わせたまま)後半の半分までかかっちゃったから。点取って相手が(圧力をやや弱めて)ああなった時にかさになって2点取る力が欲しいけれど。点取って終わったのは成果があった」と語った。

 勝機も十分にあっただけに悔やまれる敗戦だが、MF押尾大貴やGK岩佐大輝の台頭もあって、チームの選手層は明らかに充実してきている。朝岡監督も「(5月までの前半戦に比べて)いろいろな選手をピッチに立たせられるようになってきた」。非常に悔しい敗戦だったが、今後へ繋がる敗戦でもあった。終盤まで優勝争いを続けることを掲げるチームはこの敗戦から切り替えて勝ち点を積み重ね、優勝への望みを繋いだままプレミアリーグの終盤戦を迎える。

[写真]椎橋中心に首位・鹿島ユースと渡り合った市立船橋だが、惜敗に終わった

(取材・文 吉田太郎)
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