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[UAチャレンジカップ]受験もサッカーも「誰も手を抜かない」神奈川代表する進学校・湘南が快勝発進

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[8.17 UAチャレンジカップ予選リーグ第1節 湘南高 3-0 大体大浪商高 J-GREEN堺]

 革新的なサッカーイベントを通じ、ユース期において必要とされる様々な情報、知識を提供することで、世界に通用するサッカー選手を育成し、サッカー界繁栄の一助とすることを開催理念とする「アンダーアーマーチャレンジカップ2015 SUMMER」が17日、大阪府堺市のJ-GREEN堺で開幕した。大会には東北の福島から沖縄までの強豪16校が参加。大会期間中には栄養講習会や元日本代表MF金田喜稔氏によるサッカークリニックなどが実施され、実戦だけでなく、サッカーを学ぶことに重きを置いた取り組みも行われる。17日は16校を各4チーム4グループに分けた予選リーグの第1節と第2節が行われ、GroupBの大体大浪商高(大阪)対湘南高戦は3-0で湘南が快勝した。

「結果にそぐわない内容でした」。湘南の竹谷睦監督は快勝発進にも厳しい表情を崩さなかった。序盤からよりチャンスを作っていたのは地元・大体大浪商の方。MF嶋本颯やMF鳥野直哉、MF松浪宏樹が相手のSHを振り切って右オープンスペースへ侵入し、決定機を作り出した。対する湘南はMF山根隆史やMF藤尾悠司ら足下の技術に長けた選手たちがボールをつなぐと、サイドのドリブル突破も交えてチャンスをつくり返す。だが、互いに決めきることができずに前半を0-0で折り返した。

 迎えた後半10分、湘南はFW高田健史とスイッチして左中間を抜け出した山根がスルーパス。GKと1対1となったFW今岡知晃が左足で決めて先制した。大体大浪商も鳥野の右足ミドルなどで反撃するが、湘南はGK岩村遼太郎が好守を見せるなど得点を許さない。逆に湘南は20分、楔に入った高田が意表を突く1タッチのラストパス。これで抜け出した今岡がGKに倒されてPKを獲得する。このPKを山根が右足で決めて2-0とすると、29分にも山根のサイドチェンジから抜け出したMF上條隆之介のシュートのこぼれ球を藤尾がゴールへ沈めて3-0とした。

 湘南は総体神奈川県2次予選2回戦で昨年度選手権全国3位の日大藤沢高と対戦。格上からチャンスもつくっていたが、それを活かすことができず、後半の2失点によって0-2で敗れた。だからこそ、竹谷監督は「苦しい試合を自分たちのゲームにすること」と勝負どころで守り切る力、決め切る力を求める。この日は3-0で快勝したものの、決定的なシーンはまだあっただけに決めきる部分では課題を残した。一方で守り切ったこと、また選手権を見据えて行ってきたバランストレーニングやフィジカル、ウェートトレーニングの効果もあって、相手以上に走ることができていたことは収穫だ。

 神奈川県を代表する進学校である湘南だが、伝統的に3年生は学業と両立して選手権までやり切るという。声でチームをまとめていたCB砂流勇志主将は「受験は誰も手を抜かず早慶や国公立を目指していますし、歴代、現役で中心選手で東大入った選手もいる。そういうところは受け継がれていると思います」。選手権全国大会、志望校合格を目指してサッカーも勉強も手を抜かずやり切る。その中で貴重な強化の場となるアンダーアーマーチャレンジカップの目標について砂流は「優勝です。(達成できれば)自信になると思う」と意気込んだ。湘南はグループBの2試合を終えて1勝1分で首位。まずは1位リーグ進出を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
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