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[プレミアリーグEAST]勝ち点1差で初V逃すもF東京U-18撃破、青森山田は選手権へ向けてプラスの1勝

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[12.6 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 F東京U-18 1-2 青森山田高 東京ガス武蔵野苑多目的グラウンド(人工芝)]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグEASTは6日、最終節が開催された。2位・青森山田高と5位・FC東京U-18の対戦は、青森山田が勝ち点差1で追う首位・鹿島ユースの結果次第で逆転優勝が決まるという状況も有り、多くの報道陣が詰めかけた中で、行われた。

「目の前の勝負に勝つだけ」と黒田剛監督が言ったように、青森山田ベンチはピッチの選手には同時進行している市立船橋高対鹿島戦の途中経過を伝えること無く、目の前の相手に集中させた。

 試合が動いたのは3分のことだった。青森山田はFW鳴海彰人のパスを受けたトップ下の高橋壱晟が、裏に抜け出したMF豊島祐希にパスを通す。これを右サイドで受けた豊島が、ドリブルでしかけ、角度の無い位置から強烈な右足シュートを押し込み、青森山田が幸先よく先制に成功する。

 しかし、リードしたことで、守りの意識が高くなってしまったのか、青森山田の前への勢いが失われていくと、試合はF東京ペースに。FW佐藤亮の鋭い動き出しに対し、生地慶充大熊健太の2シャドーが反応し、左ウイングバックの小山拓哉、右ウイングバックの岡庭愁人も積極果敢にサイドをえぐる。3バックの一角の柳貴博もゴール前に飛び込むなど、分厚い攻撃で青森山田を押し込んだ。そして迎えた44分、DF岡崎慎から小山に繋ぎ、左サイドを破った小山の折り返しを、佐藤が鮮やかなワンタッチで前を向き、冷静にゴール右隅に流し込んだ。

 1-1で迎えた後半、「後半の馬力には自信がある。もっと積極的に行けと発破を掛けた」(黒田監督)青森山田が、怒濤の勢いで攻勢に出た。7分、高橋の縦パスに抜け出したMF三上孝太の折り返しを、神谷がフリーで受けるが、放ったシュートはDF岡崎のファインブロックに阻まれる。7分には鳴海が抜け出すが、これも岡崎の素晴らしい寄せに決めきれなかった。15分にも神谷が決定機を迎えるが、これはGK山口康平のファインセーブに阻まれた。

 決定機を作れど、モノに出来ない嫌な雰囲気が漂ったが、22分、神谷が勝ち越し弾を決め、再度青森山田がリードを奪った。その後、両チームとも決定機を作り出すが決めきれず、タイムアップ。2-1で勝利を決めた青森山田。ピッチの選手達が一斉にベンチを見るが、ベンチからは×のジェスチャーが。鹿島が市立船橋に2-1で勝利をしたため、青森山田の2位が決まった。

「正直悔しい気持ちはある。しかし、この気持ちを持った状態で選手権に挑めることは大きい」。黒田監督は無念の表情を迎えながらも、しっかりと前を向いた。「18節を振り返ると、後悔もある。でも切り替えて、選手権は絶対に穫るんだと言う気持ちで臨みたい」(北城俊幸)。優勝チームとの勝ち点差僅か1。悔やまれる点はたくさんある。しかし、最終戦をきっちりと勝利し、かつ悔しさを味わったことで、青森山田にとって大きなプラスになったことは間違いない試合だった。

(取材・文 安藤隆人)
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