[3.30 ミズノカップIN香川予選リーグDパート第2節 徳島ユース 0-2 玉野光南高 瀬戸大橋記念公園球技場コート3]

　30日午前、第4回ミズノカップU-18 IN うどん県(香川)2016予選リーグDパート第2節が行われ、徳島ヴォルティスユース(徳島)対玉野光南高(岡山)戦は新1年生FW飯尾柊太の2試合連続ゴールとMF高松翔真(新2年)のゴールによって2-0で玉野光南が勝利。2連勝とした。

　0-0の後半8分、玉野光南がスコアを動かした。右CKをニアで競り勝つと、ファーサイドのDF末房裕章(新3年)が頭で折り返す。そのボールをゴールエリアの飯尾が頭でゴールへ押し込んだ。乙倉健二監督が大きな期待を寄せる注目ルーキーの先制ゴール。これで勢いに乗った玉野光南は10分にも高松がロングシュートをゴール右隅へ決めて、試合の流れを一気に傾けた。

　互いに3-6-1システムを採用する両チームによる“ミラーゲーム”のような展開。前半は徳島がFW桒原呂偉(新2年)のドリブル突破や前線の選手たちのDF裏へ抜け出す動きなどによって玉野光南DF裏を苦しめた。また飯尾が「ボールが入るとプレッシャーが速かったので嫌だった」と振り返ったように、徳島は攻守ともに量のある動きで今大会初勝利を目指す。

　だが、後半はより元気のあった玉野光南が失敗を怖れない積極的な守備で相手のパスコースを封鎖。その中で玉野光南は登録167cmの高松と155cmのMF朝原康平(新2年)のダブルボランチが存在感を発揮した。ボールを引っ掛け、相手のプレスをヒールパスなどでかわすシーンもあった2人。乙倉監督も「怖れず、相手をいなしながら、コンビネーションをやってくれた」と賞賛していた。

　徳島もMF森本瑞生(新3年)を中心にボールを動かして攻め返す。そしてカウンターから桒原が鋭いドリブルで持ち込んでMF久次米啓吾(新1年)がシュートを打ったり、交代出場のFW高橋友希(新1年)が抜け出しから決定的なシュートを放つなど反撃する。だが、右のMF西崎涼司(新3年)やFW藪井樹(新3年)が繰り返しスペースへ抜け出し、交代選手含めてハードワークする部分を貫いた玉野光南が2-0で勝利。飯尾は「後半にリズムに乗れて点が入り出して良かった」と表情を緩めた。

　玉野光南は1年時から主力だったFW土居晃太らが卒業。DF尾上翔(新3年)やDF岩本大輝(新3年)、そして西崎と選手権を経験した3選手が残っているものの、3年間主軸だった選手がいなくなったことの影響はチームにとって大きい。それでも玉野光南は抜きん出た個がいない分、より攻守一体となって戦う構え。昨年は縦にボールを入れれば土居が何とかしてくれていた部分もあったが、今年はそこを起点にするのではなく、ボールを保持しながら、横に動かして相手の守りを広げ、スペースへの動きを交えて連係で崩していく。乙倉監督は「例年よりも横にボールを動かすことが多いと思います」。自分たちのスタイルを固めて、今年も選手権などで結果を出すこと。この日午後の予選リーグ最終節で飛龍高との首位決戦に敗れて準決勝進出を逃したが、手応えも掴んだ玉野光南が間もなく本格シーズン開幕を迎える。

[写真]後半10分、玉野光南は高松(中央)が2点目のゴール

(取材・文　吉田太郎)

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