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[MOM1760]清水ユースDF立田悠悟(3年)_「勝負の年」に花開くか、沈着な対応見せ続けた189cmCB

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 FC東京U-18 0-1 清水ユース 味スタ西]

 昨季、清水エスパルスユースのDF立田悠悟が際立っていたのは抜群の“素材感”だった。190cm近い長身を生かした空中戦の強さは天下一品。昨夏のSBSカップ国際ユース大会では、外国勢相手にも高さで存在感を示し、U-17日本代表にもピックアップされることとなった。一方で、試合の中でしばしばカバーリングの遅さも目に付くなど弱点も見え隠れした。

 本人も自覚的で、課題を問われて真っ先に出てきた答えは「カバーリングです」。目の前のストライカーを粉砕することに専念していた昨季とは異なり、「去年に比べると相手の動きも見えている」ともう一人のセンターバックを気遣う余力もあった。高円宮杯プレミアリーグ開幕戦で当たったFC東京U-18に対しても、相手が攻勢に出た時間帯を含めて慌てず騒がず、沈着な対応を見せ続けた。「声」で味方をリードする意識も、昨季までの立田とは明らかに違っていた。

 さらにセットプレーでは自慢の高さを生かしてCKを折り返し、アシストも記録。あらためて規格外の可能性を見せ付ける試合となった。試合後、立田は「シーズンを通して高さの面は絶対に負けてはいけないと思っている」とストロングポイントを強調しつつ、同時に「今季は後ろから声を出せる絶対的なリーダーとしてやっていきたい」と、“ピッチ上の指揮官”になっていく覚悟も語った。

 イメージしている理想のセンターバック像は、日本代表DF森重真人。「ヘディングが本当に強いし、それでいて頭は冷静。ビルドアップも上手い。そういう選手になっていきたい」と将来の成長を思い描く。

 開幕戦でのプレーは申し分ないものだったが、DFで重要なのは継続して高いパフォーマンスを発揮できるかどうか。開幕前にはトップチームのキャンプに呼ばれて大きな刺激を得たことで、プロを目指す気持ちもより強固なものに変わっている。「今年1年、勝負の年だと思っている」。“清水の大巨人”が自分の力で己のサッカー人生を切り開く。そんなシーズンがいよいよ始まった。

(取材・文 川端暁彦)
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