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[ニューバランスカップ]新システム機能の近大附、準決勝までの4試合で計24得点の大爆発

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[7.23 ニューバランスカップ準決勝 習志野高 0-6 近大附高 J-GREEN堺S9]

 第7回堺ユースサッカーフェスティバルが7月21日からJ-GREEN堺などで開催中。その中で、冬の全国高校選手権へ向けてスタートを切っている強豪16校によって開催されている「ニューバランスカップ」は23日に大会最終日を行い、近大附高(大阪)と習志野高(千葉)との準決勝は近大附が6-0で快勝した。

 東海大福岡高、旭川実高、東海学園高と戦った予選グループリーグ3試合で18得点を叩きだしている近大附の攻撃力が準決勝でも爆発した。習志野は予選リーグで草津東高や玉野光南高相手に「点も取られたけれど立て直して取り返すことができた」(砂金伸監督)という内容でグループ1位。だが、準決勝ではテストした選手たち含めてうまく試合に入ることのできなかった前半に3点を奪われてしまう。一方、2年生MF内田将太が「予選リーグは先制される展開が多かったんですけど、立ち上がりに点が取れるようになってきて。守備も落ち着いてできている」と説明した近大附は6分にその内田が右足で直接FKを決めて先制すると、21分にはFW清水寛治からのパスを受けたFW大石祐人が右足シュートを叩き込んで2-0。守備の安定から攻撃面でも良さの出た近大附はさらに前半終了間際にも内田が決めて3-0で折り返す。

 習志野は選手を入れ替えて巻き返しを図ったが、流れを止めることができない。サイドからの崩しでチャンスを連発する近大附は後半開始直後にもMF尾山海斗、MF佐藤京佑が連続ゴール。そして内田の折り返しから大石が頭で決めて開始5分で3点を追加して大量リードを奪った。習志野も前線に配置されたFW金木壱成の仕掛けやMF新居直己のシュート、左SB海田航佑のセットプレーなどから反撃したが、最後まで1点を奪えず。新チーム発足直後はフェスティバルで優勝するなど好スタートも怪我人もあって苦しいシーズンを送っている習志野。7月末に選手権1次予選、8月にはオランダ遠征を控えるチームは砂金監督が「メンタル的にこういう展開になると力を出せない」と指摘したメンタル面、精度の部分も改善して秋を迎える。

 一方、「技術よりもタフなプレーヤーとしてしっかりチームを気迫で引っ張っていきたい」という大黒柱のDF堀江亮介主将中心に堅い近大附は、山田稔監督が「システムは3-3-2-2。1ボランチにして選手権へ向けて両サイドの速い選手を使おうと」という狙いの新システムがフィット。特に機能している印象なのが中盤中央で1ボランチのMF森川徹臣、トップ下の内田と佐藤の「3人が連動してできている」(山田監督)。そして河村慶人と尾山の両ワイドのスピードを活かした攻撃が効果を発揮し、これまで「得点不足に困っていた」というチームはライバル校が「凄い」と舌を巻くような攻撃力を発揮している。内田は守備のバランスを意識していることを口にしたと同時に「クロスのところで人を掛けられる」とより攻撃の強みを出せていることを説明。準決勝は今大会初の無失点で終え、大量得点も奪う納得のゲームとなった。

(取材・文 吉田太郎)

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