beacon

[ADIDAS CUP 2016 in SENDAI]強豪対決で5発快勝も、佐野日大は選手権へ向けて「一人ひとりが頑張るところが必要」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[8.7 ADIDAS CUP 2016 in SENDAI 東北高 1-5 佐野日大高 松島FTB]

 秋、そして冬へ向けた戦いはすでに始まっている。選手権へ向けた強化を狙いとして地元・宮城県をはじめ、北海道・東北、関東、北信越の強豪12校が熱戦を繰り広げている「ADIDAS CUP 2016 in SENDAI」は7日午前、準々決勝を行った。東北高(宮城)と佐野日大高(栃木)との一戦は5-1で佐野日大が勝った。

 今年の全国高校総体出場こそ逃したものの、ともに県内を突破して全国での上位進出を狙う実力校同士の一戦。2チーム編成で主力数人が不在だった東北を佐野日大が立ち上がりから押し込んだ。高い位置でのボール奪取からサイド攻撃に繋げる佐野日大は4分、左CKのクリアボールをFW大熊啓太(3年)が豪快な右足シュートで決めて先制。15分には前半、運動量多く再三右サイドのスペースを突いていたSH小澤亮祐(3年)のクロスをファーサイドで受けたエースFW長崎達也(3年)が、MF本石捺(3年)とのパス交換から右足コントロールショットをゴールへ沈めて2-0とした。

 その1分後にはインターセプトからMF福澤力(2年)が素早くDFラインの背後へ浮き球のパス。これに反応した本石が切り返しを交えた突破でDFを置き去りにして3点目のゴールを奪った。大きな展開を交えてサイドを切り崩すなど、狙い通りの試合運びを見せた佐野日大が前半半ばで早くも3点をリードした。

 一方、東北もSBのスピードある攻撃参加からチャンス。18分には右クロスからFW大場啓未(3年)が決定的なヘディングシュートを放ち、後半10分には中盤で存在感を示していたMF小山翔太朗(3年)がワンツーから持ち込んで左足シュートを決める。特に後半、東北はボールの奪い方が向上し、前向きの選手を活用した攻撃。推進力ある攻めで佐野日大を後退させ、小山やFW齋藤大道(3年)、FW柳原芳紀(3年)がゴールに迫った。

 一方の佐野日大は海老沼秀樹監督が「足が止まったところ、あと点差がついて『これくらいでいいだろう』というのが見えてくる」と首を振る内容。点差がついた安堵感からか、前半の好プレーを持続できなかった選手が増え、相手にリズムを掴まれてしまう。それでも終盤、MF曽雌亮汰(2年)のスルーパスからFW高橋真(2年)が決めて突き放すと、アディショナルタイムに高橋が右足でゴール左隅へファインショットを突き刺して5-1で快勝した。

 海老沼監督は選手たちへ向けて「選手権、リーグ戦へ向けてのメンバー選び。何人か入れ替えて、こっちに来たメンバーはチャンスがあるのでアピールしてくれと言いました」と説明する。今大会はグループリーグから4連勝しているが、その中で出てきている「頑張りの利く選手と、頑張りの利かない選手」との差。リードして緩みが出るのではなく、1点にこだわっていかなければならない。そして主力選手、チャンスを得た選手含めてチームのために80分間、90分間ハードワークをできる選手を一人でも増やさなければならない。
 
 最終ラインの中央で対人の強さを見せていたCB福田一成主将(3年)は「ちょっと最後全員疲れていた。暑い、3日目というのもあるんですけどそこで走んなきゃ自分たちはダメ。もっと走るということと、一人ひとりのハードワーク。技術もそうなんですけど、一人ひとりが頑張るところが必要」と指摘。まずはより走る部分、頑張る部分を出していく必要性を口にした。

 昨年は総体予選を制した佐野日大だが今年は無冠。福田は「自分たちがまだまだというのもあるんですけど、周りが強すぎる、という訳ではない。自分たちがダメだと思うので、自分たちが成長しなければいけない」。今回の「ADIDAS CUP 2016 in SENDAI」は成長するための4日間。ライバル、学校に残って練習に励むBチームの選手たちにも負けないように、宮城の地で貪欲に強くなることを目指す。

[写真]佐野日大のMF本石は豪快な左足シュートでゴール

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設ページ】ADIDAS CUP 2016 in SENDAI

TOP