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[MOM1977]浦和ユースFW時里元樹(3年)_悔しさ乗り越えてきたFWが高校ラストゲームで決勝点!

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前半35分、浦和レッズユースはFW時里元樹が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.18 高円宮杯プレミアリーグ参入戦2回戦 浦和ユース 1-0 長崎総合科学大附高 広島広域公園第一球技場]

 悔しい思いを経験してきたFWがラストゲームで結果を残した。浦和レッズユースは0-0の前半35分、ゴールから飛び出してPA外の位置でセカンドボールを処理した相手GKに対し、前線からプレッシング。これでミスキックを誘うと、敵陣中央、右寄りの位置でボールコントロールしたFW時里元樹がすかさず右足を振り抜く。ボールはGK不在のゴールへ吸い込まれて決勝点となった。

「GKが左足で蹴ろうとした瞬間、来そうだなと思ったので準備していたら来た。イメージはできていたので、後は想像通りにいきました。最初(シュートが)コースから、外れたかなと思ったけれど、入って良かった」

 1点勝負になることは理解していただけに、迷いはなかった。「あそこで行かないともったいない。行こうと思った」。思い切りよく放った一撃が決まると両手拳を握りしめて歓喜の雄叫び。大一番での貴重な先制点にチームメートたちが一気に駆け寄った。

 そのFWは前線でボールを収める部分、サイドへ抜け出してのドリブル、パスでも健闘。これまでの悔しさを晴らすように高校生活最後の公式戦で走り回った。今年、前線の柱を務めてきた時里だが、Jユースカップ2回戦では前線でボールを収めることができずに、チームも流れを掴めなかったことで前半29分に途中交代。続く3回戦では先発から外れてチームは敗れている。

「あの時は本当に悔しくて。自分が収める選手にならないとスタメンで出られない。収められるようになるぞと思った。(きょうは)一球一球、自分が全部収めるくらいの気持ちで。相手にヘディングで競り勝ったりとか大事だと思ったのでムダにしないようにした」

 努力は実を結ぶ。大槻毅監督も「彼は点取る子で、苦しんでいたけれど夏以降、Jユース終わって一山越えて盛り上げてきて、点取ったのは頑張ってきた証拠。彼のご褒美じゃないですけど良かった」と喜ぶゴールでチームをプレミアリーグへと導いた。

 今後は大学サッカーで成長を目指す。「最後に本当に結果が残せて良かった。最後、自分が決めたいなと思っていた。それができて良かった。3年間苦しかったんですけど乗り越えてこれたので、腐らずにやっていきたい」。この日、努力を続けることの重要性を改めて体感したストライカーが次のステージでも焦らず、一日一日を大事に、花開く日のために謙虚に日々を送る。

(取材・文 吉田太郎)
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