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[新人戦]「自分はヘディングしか取り柄がない」。尚志はCB功刀が頭で青森山田完封

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尚志高CB功刀舜也が自慢のヘディングで完封に貢献

[1.30 東北高校新人選手決勝 青森山田高 0-1 尚志高 相馬光陽サッカー場A]

 ヘディングで負けることは許されない。尚志高はこの日、前線からのプレッシングで青森山田高のパスワークを制限することに成功。最終ラインからのロングフィードを“蹴らせた”先にはCB功刀舜也(くぬぎ・しゅんや、2年)が待ち構えていた。身長174cmでCBとしては決して大柄ではない功刀だが、小学生時代から磨いてきたというヘッドを連発。相手の180cmMF郷家友太に競り勝ち、終盤は自身よりも18cmも高いFW三国ケネディエブスに競りに行き、勝ちきれなくても相手に自由にヘディングさせず、完封勝利の立て役者となった。

 チームは空中戦で功刀が勝つ見込みでいたようだ。MF松本雄真(2年)は功刀が競り勝った後のセカンドボールの回収、展開を試合のポイントと考えていたという。チームメートやコーチ陣からの信頼に応える形で背番号3は自慢のヘッドを放ち続けた。

「ヘディングだけは絶対に負けたくなかった。弱気になったら負ける。絶対に勝ってやると思ってやりました。誰にも負けない、自分はGK(との競り合い)にも負けないと思ってやっています。自分はヘディングしか取り柄がない。ヘディング負けたら尚志のためにはなれない」

 ヘディングで負けたらポジションも失う――。その覚悟を持って戦うCBが再三の空中戦でその気迫、決意を表現して見せた。自分の役割は頭で相手の攻撃を跳ね返し、頭でゴールを奪うこと。この日は完封勝利に「自信になりました。相手はデカかった。それに勝てたのは嬉しい。逆に身長高い選手は燃えてくるので、潰せていたのは良かった」と喜び、選手権優勝メンバーのCB小山内慎一郎からゴールを奪えなかったことを「そこから1点も取れなかったので悔いが残る」と悔しがっていた。

 小学生時代から紐でぶら下げられたボールでヘディング練習。上のレベルで活躍するために必要と将来のために磨いてきた武器は自身の代名詞と言えるほどになった。そして全国トップクラスの相手にも通用。現状、コーチ陣も「ヘディングだけ」と指摘する武器を増やさなければならない。今後は「パワープレーだけでなく繋げる選手になりたい」と課題を持って取り組み、“頭だけじゃない”CBになる。

(取材・文 吉田太郎)

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