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[新人戦]日章学園が競り勝つも得失点差で及ばず敗退。惜敗の筑陽学園がブロック2位で決勝Tへ

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後半7分、日章学園高はMF河原淳(中央)が右足で決勝ゴール

[2.11 九州新人大会予選リーグ第2節 日章学園高 2-1 筑陽学園高 佐賀県総合運動場陸上競技場]

 平成28年度 第38回九州高等学校(U-17)サッカー大会は11日午後、第2節を行い、日章学園高(宮崎1)対筑陽学園高(福岡2)戦は日章学園が2-1で競り勝った。降雪の影響によって当初11日に開催予定だった予選リーグ第3節は中止に。両チームは勝ち点3で並んだが、得失点差で上回った筑陽学園が12日の準々決勝進出を決めている。

 得失点差が重くのしかかった。自力での決勝トーナメント進出を決めるためには4点差以上での勝利が必要だった日章学園。前半、風下でスタートした日章学園は立ち上がりにショートコンビネーションによる崩しから14年U-16日本代表のMF佐藤颯汰(2年)が決定的な右足シュートを放つなど筑陽学園ゴールへ迫る。吹雪の中の初戦となった前日の長崎南山高戦は0-1で敗戦。早稲田一男監督が「何にも無いですよ。褒められる要素が」と振り返った初戦から切り替えて臨んだチームは6分にゴールを破る。相手GKへ鋭いプレスをかけたFW木津蒼(2年)がボールを引っ掛けてシュートを放つと、最後はFW恩塚幸之介(2年)が押し込んで日章学園が先制した。

 先制した後も主導権を握っていたのは日章学園の方だった。トップ下の位置からスペースへ抜け出し、ドリブルも効いていた佐藤颯にMF佐藤詩響主将(3年)らが絡んでチャンス。20分には相手DFにゴールライン上で防がれたものの、CKのこぼれに反応したCB高田椋汰(1年)が決定的なチャンスを迎えた。ただし、PAまではボールを運んでいたものの、ゴール前での精度と迫力を欠いて、決定機をつくりながらも2点目を奪うことができない。

 また、縦への攻撃鋭い筑陽学園も押し返して見せる。初戦4得点の10番FW中岡想羅(2年)と、アイディア、テクニックを活かしてチャンスメークするトップ下のMF梶原和希(2年)、そして両ワイドのスピードも活かして反撃。10分には左ロングスローからMF龍野駿一(1年)が決定機を迎え、20分にはカウンターから梶原が右サイドを抜け出してそのラストパスに飛び込んだMF遠藤直人(2年)のシュートがクロスバーを叩く。そして29分、こぼれ球を拾ったMF古賀勇貴(1年)の左足シュートのこぼれに梶原が飛び込み、最後はこぼれ球を龍野が右足で決めて同点に追いついた。

 筑陽学園は後半5分にも国生のラストパスを龍野が合わせたが、至近距離からの一撃を日章学園GK小原司(1年)が好反応でストップ。GK寺田恭一郎(2年)の負傷によって後半開始から出場した1年生GKの好守に支えられた日章学園は7分、左中間を抜け出したMF河原淳(2年)がラストパスのこぼれ球を自ら拾って右足でゴールへ流し込む。再び勝ち越した日章学園は一気に連続得点を狙おうとするが、前半同様、あと一歩のところが噛み合わずに追加点を奪うことが出来ない。また筑陽学園に背後を狙われ、それをCB寶地雄大(2年)らが何とか逃れるシーンの連続。筑陽学園は梶原が鋭い仕掛けからシュートを放つなど反撃するも同点に追いつくことはできず。だが、得失点差でブロック2位を守って準々決勝進出を決めた。

 試合には勝ったものの、日章学園は惜しまれる敗退。主将の佐藤詩は「今日は4点取って決勝トーナメントへ行こうと言っていた。行くチャンスはあったけれど、自分たちの力不足で悔しいです」と下を向いた。そのチームについて、早稲田監督は「色々な崩しができるように。攻撃のバリエーションが増えてこないといけない。あと、最後のところの精度とかフィニッシュとかもまだまだ。前半に3つ、4つ取っておかないと」と指摘。選手たちは精度の部分などまだまだ甘さがあったことを認めていた。

 佐藤詩は「自分たちは決定力が課題になっていて、もっと点の取れる強いチームを目指している。まずはプリンスリーグ残留を決めて。総体も去年ベスト16と悔しい思いをしたので、それを越えていけるように頑張りたい」。自分たちのミスでリズムを崩し、相手の縦に速い攻撃にバタバタした部分もあった。日章学園はレギュラー争いに食い込みそうな新1年生たちとの競争でチーム力を高め、プリンスリーグ、総体予選で課題が改善されたことを示す。

(取材・文 吉田太郎)

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